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創歴元年 異世界建国編 その1 到達すべき場所

 朱雀 レイノルド


 「とりあえず俺とウーネアで仮面の男をやる!玉藻ちゃんと鞍馬さんは息子さんを頼みますぜ!」


 俺は柄にもなく周囲に指示を出す。いつもなら誰かに任せたいと考える俺だけど、今、最も敵の事を知ってるのは俺なんだ。俺が何とかしなきゃ!


 「ほな、うちはこっちや」

 「うむ」


 「ほんと、何でいつもあんたと組むのは私なのかしら。お姉さまとがいいよー!ま、でも今回は仕方ないわね。レイノルド、ついでに見ててあげるわ。あんたがお姉さまに相応しいかどうかをね。ダメだったら私が貰うから!」


 「あぁ!!ってあ!?今なんつった!?ダメなら俺を貰うって言った!?」


 突然何言い出すんだこの子!!


 「はぁ!?何勘違いしてんのよ!!私がお姉さまを嫁に貰うに決まってんじゃない!」

 

 あ、こいつダメだ。レズビアンまっしぐら・・・まあいいや。用は俺が見せつければ良い。あの男にな!


 「痴話喧嘩は終わったか?」


 「まぁな!!早速だがやらせてもらうぜ!!さっき手に入れたこの・・・『何かごちゃごちゃ凄い奴』で!!」


 俺は手にした槍を向けた。


 「ひっどいネーミングねぇ、もうちょっとないの?」


 知らんわい、こんな土壇場で思いつかないでしょうよ。でも、さすが俺が使ってただけはあるな。手に妙にフィットする。凄く馴染んで使いやすい。


 「凄いなレイノルド、何故その武器の名前がわかった?お前エスパーだったか?」


 「いや嘘でしょ!?」

 「マジで言ってんの!?」


 二人して声を揃えた。そして名前それなの?こんな業物っぽい、なんつーか。神剣みたいな感じなのに?


 「まぁいいや!ともかく!!見せつけてやるよ俺!」


 「行くわよー!!」


 「すっかりその気だな、俺はお前たちを殺しに来たの忘れたか?でも、助っ人とやらが来るまでまだありそうだな。たまには遊んでみるのも一興か。来な、神の力の真髄を見せてやるよ」


 『行くぞぉぉぉぉぉぉっ!!!』


 俺たちは仮面の男に立ち向かった。


 


 一方で同時刻 朱雀 鞍馬


 「玉藻、お前は一旦下がっていてくれ」


 俺は稲荷と向かい合った。


 「こうして父ちゃんとやりあうっちゅーのはなんだかんだで初めでなんだべなぁ」


 「確かにな、昔から俺は放任主義で自由に生きたいと言うお前の意志を尊重し、自由に行動させていた。しかし帰ってきたと思ったら突然玉藻を襲おうとした。お前は一体何がしたい?穢れとなる存在になってどうしたいんだ?」


 「・・・簡単な話だべ。おらは消えたくねぇ、それだけだべな」


 「消える?永零の目的は・・・」


 「違えのさ、父ちゃんよ。確かにおらは永零の目指す神の廃止に賛成だべ。けんどよぉ、それじゃぁ守りきれんモノってのがあんのよ」


 「稲荷、うちのこと襲っておいて守るってどゆことなん?」


 「・・・うーん、なんつーのかね、ここじゃ上手く言えねぇんだべ。強いて言うなら、おらは知っちまったんだ。世界の結末をな。父ちゃん、母ちゃん。この際だからはっきり言うべ。永零もニヒルもそれぞれが望む目的に達する事はない。あるのは!!」


 その直後に稲荷は動いた。そして俺と玉藻の間にいつの間にか立っていた。


 こいつ、いつの間にここまで。


 「・・・・・・・・・」


 俺は稲荷が小さな声で言った言葉を聞いた。そう言う事だったのか・・・


 そして稲荷は手加減無しで炎による攻撃を繰り出す。俺も炎の攻撃を繰り出して相殺した。


 「成る程、それがお前の・・・稲荷、お前がその未来を信じるのは勝手だ。その行動の意味もやっと分かった。だが俺は、俺たちは今この瞬間を信じる。見えない未来の為に戦う。勝負だ稲荷!」


 俺は巨大な九本の尾を持った狐の姿に変わった。


 「ならおらに勝たなきゃ始まんねぇよな。勝負だべ父ちゃん、母ちゃん。おらが、俺が・・・!!!」


 稲荷も姿を変えた。


 「あんたほんと変な子やなぁって思ってたんやけど、あんたも結構色々考えとんねんな」


 そして玉藻も妖狐の姿へと変化した。


 「さぁ、始めんべ!!」





 そして一方 ??? ニヒル


 「行くですよ永零」


 「そうだね、でもその前に。ウラヌス!」


 「あいよっとぉ、場所替えだぁっとぉ!」


 景色が一瞬にして変わった。荒野?これがあのウラヌスの力か。


 「さぁ、これで思う存分戦えるよね!」


 「そうですね!!ウンディーネ!シルフは私の援護を頼むです!!私たちは永零と戦う!サラマンダーとノームはディエゴと一緒にウラヌスを頼むです!!そして朱雀!!やりたいようにやれ」


 私はみんなに指示を出した。そして四精霊とディエゴは即座に行動してくれた。


 そして朱雀は


 「ちっ、ニヒル アダムス。テメェ分かってやってるな?俺の行動を」


 「さぁ、私はお前に恨みを買われてるかもしれないが、私はお前に売った覚えはないですし大体お前とは初対面。ただ分かってるのはお前の行動理念だけです。で?どうするです?永零に付くです?」


 本当に済まないと思ってるんだよこれは。そもそもこの戦いに朱雀は本来関係ない。それどころかこの戦いは私と永零、別の世界の者同士の戦いだ。四精霊も本来巻き込みたくは無かった。


 そして私は永零みたいな変なカリスマ性は持ち合わせてない。やれるとしたら協力をお願いするくらいだ。だから私は信じるだけだ。朱雀の信じる正義をな。お前の正義が私を認めないと言うならそれでいい。


 「テメェ本当にムカつく野郎だ。元より俺はテメェら異世界の存在が気に食わねぇ。しかし、俺はテメェに敗北した。ムカつくがそれは認めてやる。だが永零にはまだ俺は負けたつまりはネェ」


 朱雀は私の隣に立った。


 「お前以外と正直者だったのだな。妾はそう言う奴は好きだ」


 ウンディーネが朱雀の肩を叩く。


 「四精霊ごときが、舐めた口を聞くんじゃネェよ」


 「それは失礼したな、鬱憤ならこの犬に吐き出しておけ」


 「そうさせてもらおう」


 「あ、あん!?」


 案外お前ら息ぴったりだな。


 さて、永零の方は構えてる。やはり霞構え、その相手を惹きつけてから反撃に出る戦い方は相変わらずだな。


 ならまずは・・・最速の抜刀術で一気に攻める!!


 私は一気に刀を抜いた、攻撃はぶつかり合いそして捌かれる。私もすぐさま体勢を整えて攻撃を続ける。


 「流石に強いね・・・でも!」


 反撃が来る。


 「痛っ!!これは、血?」


 頬がいつの間にか切れた。攻撃なんか喰らってないぞ?


 「ふふっ、次は後ろだね!」


 「な、妾の攻撃が消えた?」


 今のはなんだ?私のと同じか?ウンディーネは攻撃をする為に永零の背後を取ったにも関わらず、ウンディーネは攻撃していなかった。


 「シルフ君、君の風も僕には届かない」

 

 「どう言う事だよ・・・何で俺様の攻撃がキャンセルされ」


 シルフのもだ。そしてその隙に永零はシルフの腕を掴んで立っていた。


 「まずは君から・・・ん?あ、成る程」


 完全にやられたと思ったがあれは幻覚、朱雀の幻術だ。私も一瞬騙された。


 「朱雀君、分かっちゃった?僕のこの力」


 「おかげでな」


 セカンダビリティか・・・永零の力は到達点、それの応用だな。この力、永零以外の到達点を変えたと言うのか?


 「・・・試してやるですか!!」


 私はもう一度攻め込んだ。左から攻撃を繰り出す・・・弾かれここから。


 私の攻撃が上からに、刀が地面に刺さる・・・まさか、ならばこれなら!!


 「っ!?」


 『ガキィィィーンッ!!』


 鍔迫り合いになった。


 「流石ニヒルさん、もう僕の攻略法を見出したんだね」


 「ここで倒せなかったのが、最悪ですけど。お前のその力。ギリギリでしか発動が出来ないみたいですね。お前の力は決して未来の結末を見ることは出来ない。けど起きている出来事なら判断が出来る。お前は事象が起こる瞬間にその事象を別の事象に変えた。今のも私がフェイントかけて右から行くと見せかけたからお前は左から来る事象へと切り替えた。流石のお前も戦いの最中には相手の心を読むのは出来ないらしいですね」


 「凄い、この能力は確かにこれまでも能力を見破られた事はあったけど、破られた事は無かったのに。やっぱり命の女神は伊達じゃないね。心の中が筒抜けだ・・・」


 何となくだが分かるからな。何となく発動する時としない時のタイミングがわかる。次の攻撃にお前は能力を使わない。


 ただ、第八の魔法は使ってくる!!


 『ビジジジッ!!』


 第八の魔法同士がぶつかり合う。押し切れ、最上級魔法なら!!


 「くぅっ!!!」

 

 「ぬぅっ!!!」


 永零も同じく最上級魔法を・・・


 「今だ!!」


 この隙しかない!!一斉にやれ!!


 「まだ!!終わらない!!」


 「ぐっ!!」

 

 シルフが吹っ飛ばされた。そしてウンディーネと朱雀は攻撃を開始できない、また到達を拒まれたんだ。


 「うぉらぁぁぁぁっ!!」


 「この力!!」


 なら押し切るまで!!ここは土俵際!!そして今!そこに立ってるのはお前だ永零!!押し出せ!!奴の覚悟ごと押し出せぇ!!


 「どっちが!!土俵際に立ってるのは君だよ!!」


 押される・・・


 「なら!後はもう引かない!攻め続けるだけだぁっ!!」


 「僕もだよっ!!」


 後は引くな、弾かれても攻撃の手を緩めるな。切られても倒れるな!!


 




 更に片方 ??? ディエゴ


 「ほらよっとお!!ほれほれ!攻撃当ててみなっとぉ!!」


 俺たちが完全に遊ばれている。永零、こんな奴を集めていたのか。ウラヌスを名乗るだけはあるみたいだ。攻撃が全てかわされ、俺の射撃による魔法はまるですり抜けるように飛んでいく。


 「お主気持ち悪い奴じゃのぉ!!」


 「・・・っ」


 「はっはー!今のは惜しいっとぉ!!」


 サラマンダーとノームですら手も足も出ない。


 俺の限界はここまでなのか?神でないから俺は何も出来ない。俺はただの人間・・・


 この剣の一振りが建物を切る程だとしても、この銃弾が雲に穴を開けるのだとしても、神というのはそんなのを更に上を行くと言うのか?


 俺は横目にニヒルを見た。そして永零、なんて戦いをしているんだ。俺の目では追い切れない。


 「お、あの二人が気になるか?流石にすげぇよな。いくら俺でもあそこまでは出来ねぇなっとぉ。ディエゴ、正直言ってお前の力は想像以上だ、人間にたどり着ける強さじゃねえ。並大抵の神を凌ぐ力をお前は持ってる。何がお前を強くした?何故世界の狭間でも意識を保ち続けることが出来た?ただの人間に」


 ウラヌスはじっと俺を見つめた。その目は軽蔑してるのか何なのか、俺はニヒルや永零では無いから分からないが、あの目は少なくともいい感じの目ではないな。


 「さぁ、神は何でも知っているから神を名乗れるものだ。知りたければ自分で知れば良いじゃないか。お前は神なんだろ?」


 「ま、それもそうだなっとぉ。少なくともお前にはまず死んでもらわないとな」


 ウラヌスはそのまま片手剣のような武器を取り出した。レイノルドと同じようなものみたいだ。


 死ぬ。やはり俺はまだ死ぬ事を恐れているのか。生き続けたい、そう願うからまだ俺の手は動くのか。俺はまだ生き抜いていないと思うから、身体は死ぬ事を拒否するのか。


 リリア、俺はお前みたいにはなれない。逆に教えて欲しいものだ。何故お前は死を受け入れる事が出来たのか。


 俺の怒りが収まる事はない、俺は進み続ける事しか出来ない。『選ばれし者の楽園』へと俺は進み続ける。


 俺は迫り来るウラヌスの攻撃をフランベルジュで捌き銃を撃ち込む。

 

 「ちっ、お前そこまで強くねぇのに、しぶといなっとぉ!!」


 「仕方がないだろ?俺はまだ、死にたくないのだから」


 「お前・・・成る程、流石人間様だっとぉ」


 ウラヌスは距離を取った。


 「? あやつ何故間合いを取ったのじゃ?」


 「さぁ。しかしこれで・・・サラマンダー、ノーム。次は一緒に攻めるぞ」


 「うむ、そうじゃな。反撃を隙を与えてはいけなさそうじゃ。二人とも儂に遅れを取るでないぞ?」

 

 「遅れませんよ・・・」


 「共に攻めるぞ」


 リリア、お前が俺に残したもの、お前の遺志。俺はその全てを背負おう、そして終わらせる。 


 何もかもな・・・

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