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歴史の特異点 弐 世界支配(到達する力)

 創暦 ???年

 

 いや~今日は暑いねぇ。しばらくシビ辛料理を楽しんでたけど今日はキンッキンに冷えたやつをいこうかな!!


 ビールじゃないよ?まぁあたしも冷えたビールも好きだけど、君未成年だったもんねぇ~。だからほれ、夏の風物詩、かき氷。やっぱ夏はこれっしょ!!シロップもいっぱいあるよ?


 ってなわけで、今日は氷にまつわる話だよ。この世界にはかつて邪神と呼ばれたある人物がいた・・・


 ・


 ・


 ・


 創暦前 百年 八月 ???


 「沙羅曼蛇・・・よもやウンディーネと手を組むとはな・・・」


 「あぁ、マジで驚いたぜ。で、どうするよ?あそこが手を組むのは結構この国もやばいんじゃねぇか?」


 「構わんさ、あの二国が手を組んだ所で俺一人にすら及ばん。問題はあの二国に和平させた存在だ。ニンフ、調査の程はどうだ?」


 「沙羅曼蛇の奴ぁ、どうも変な連中と手を組んでるらしくてな。奴ぁ俺やあんたみたいに魔法を自在に、しかも全ての属性を操る奴らを集めたらしい。方法までは調べられなかったが、風の噂じゃ別の世界から呼び出したとか」


 「ふっ、面白い話だ。それが本当ならば俺も動いてみる価値はあるか?」


 「あるんじゃねぇべか?邪神さんよ」

 

 「な、てめぇどこから来た!?」


 「そんな慌てなくてもええべ、おらはあんたの敵じゃねぇ。おらは稲荷・・・いや、ユルグってんだ。あんたに良い情報を持ってきたんだべ」


 「良いだろう、言ってみるがいい」


 「沙羅曼蛇の国にいるのは異世界の連中だべ、奴らは自在に魔法を使い、中でも永零ってのぁ更に特殊な力を持つんだ。その力は自身の想像する結末に強制的に至るって能力でな。絶賛、現在進行形で永零はあの国を手中に収めてんだ。水の国との同盟もその力の一端なんだ」


 「何だそりゃ、いくら何でも滅茶苦茶だぜ?おめぇよ。そんな神様みてぇな能力を持った奴が・・・」


 「いるんだよ・・・奴は神だからな。だから何が何でも止めなきゃなんねぇべよ、奴の創造する世界とは、人間による真の平和。それはつまり神の排除だ・・・あんたならその意味、わかるべ?邪神さん?」


 「言いたい事は分かった、人が神の力を持ち、更に神に支配されることも無く、あくまで人として世界を変えるか・・・面白い!!永零!久方ぶりにこの俺が疼いてきたぞ!ニンフ!シルフを使え!楽しい時間が始まる!!」


 「スイッチ入ったなぁこりゃ、また乱世の時代の到来か?」


 ・


 ・


 創暦前 百二十年 八月末 ニヒル アダムス


 さてと・・・今私がすべき事、水の国との同盟は結んだ。他の国に関してはこの同盟により緊張が強まるという結果も招いた為、今の所は様子見で手を出さないようにと言われている。


 そして永零は数週間前、ディエゴやウーネアらが何やら変わった石を持ってきてそれの名前をどうするか聞いてきた。私は適当に天石と呼べば?と答えたがそれで納得したらしい。みんなしてその石の研究に明け暮れている。結局あの石は何だったのか永零は籠りっぱなしで聞けてない。


 ディエゴとは挨拶程度はするが特段なにか話す感じではない、いつもリリアといるか新聞を読んでいる。そして森羅に関しては水の国とこの国との往来が多い、と言うのもウンディーネは森羅の事が大好きで、外交と言う名目でウンディーネの子守のようなものをしている。


 じゃあ私は何をしているのか・・・何もしてない。やかましいだけのレイノルドを退けるまでは良いが最近はウーネアがなにやら不穏な動きをしてくる、表には出さないがなんと言うのだろうか、視線がいちいちいやらしく感じるのは気のせいではない気がする。


 だから私は・・・


 「いったっだっきま~す!!」

 「いただきます」


 飯綱と一緒にご飯を食べていた。飯綱は私といれば大人しく実験にも付き合ってくれるが、いなくなるとやりたい放題しだすらしい。それで監視の名目で実験には参加しているが、私自身が何か出来る訳じゃない。


 「ニッヒルちゃ~ん!!一緒にた~べよ!!」


 そこにうるさいレイノルドがやって来た。どうにもこいつ、いつの間にか覚醒状態に入っていたらしく、それでお揃いだとか言ってニコニコ近づいて来る。


 「おっねぇさっま~!たーべましょ!」


 同じノリで来たのは妹のウーネア、こいつら意外と仲が良いんじゃないか?


 「あ!てめぇ俺が先にここに座ったんだぞ!」

 「なにを言ってるのよ!あなたが座る場所はここじゃないわよ、ここは私の場所。お前はあっち」


 あ、ダメだこりゃ。ここ最近この二人はこんな感じで喧嘩ばっかりだ。


 「あん!?言わせておけばこの野郎!!どっちがニヒルちゃんの隣に座るか勝負だこら!!」

 「やってやろうじゃないのよ!!お姉さま、審判よろしく!」 


 やれやれ・・・勝手にやってくれ。


 「あっそ・・・あ、そう言えば・・・」

 

 私はふとある疑問が浮かんだ。


 「どしたの?」

 「どうかしたの?お姉さま」

 「むしゃむしゃ・・・んお?」


 ずっと食べていた飯綱も顔を上げた。


 「いや、精霊の中でと言うか、各国の戦力で一番強いのはどこなのかという、子供っぽい疑問です」


 「え、そりゃここだろ?」

 「永零はここに文化をもたらしたのよ?だとしたらここじゃない?」


 二人の意見は一緒か、でも。それじゃ沙羅曼蛇の国が最強なのかどうかは分からない。元々の国の規模が大きい国とかは無かったのだろうか・・・


 「忌々しい話だが、奴がいる」


 うん?誰の声だ?


 「え」

 「わ・・・・」

 「んお?」


 みんなして固まった、後ろに誰かがいるのか・・・あ、あ~・・・成程。何でいるんだ?


 「沙羅曼蛇、何故ここに?」


 後ろには沙羅曼蛇がいた。


 「話が聞こえただけだ、どこの国が一番強いのか・・・だったな?」


 どこで聞いていたんだ?


 「そ、そりゃもちろん沙羅曼蛇様に決まってるじゃんかよ~」

 「そ、そうだわ!だってあなたの力は私たちよりも・・・」


 「一人・・・この儂ですらおいそれと手を出せない奴がいる。かく言うこれまで幾度となく戦争をしてきた儂らだが、どいつも奴には手を出していない」


 そんなものがいるのか。沙羅曼蛇すらも手を出せない相手・・・誰なんだろうか。


 「まさかそいつって、永零よりも強いの?」


 ウーネアが少し引きつった顔で沙羅曼蛇に尋ねた。


 「恐らく。奴は邪神(じゃしん)と呼ばれ、儂よりも欲深いと、言うより簡単に言えば戦闘狂。奴の扱う氷の魔法は抗う術はなく世界中を一気に氷結させるほどの力を持つとされている。別名、氷の魔王とも呼ばれておる」


 「氷の」

 「魔王・・・」


 ウーネアとレイノルドは息を呑んだ。私もだ、一体どんな奴なのか興味がある。


 「沙羅曼蛇さん、そいつはそれほどの力を持ちながら何故この国に攻めないのです?何か理由でもあるですか?」


 そいつが平和主義ならば言う事は無いんだが・・・


 「奴が他を攻める理由がないのはただ一つ、攻めてもつまらないからだ。奴は心の底からの闘争を望む、奴を唸らせる存在がいないから奴は手を出さないのだ」


 逆か・・・しかし、この沙羅曼蛇ですらも恐れるその存在か、世界は広いな。私もてっきりこの世界での最強は沙羅曼蛇と思い込んでいた。

 

 まさかとは思うが、前の私と森羅の記憶改変は・・・無いな、奴の能力は氷と言っていた。氷で記憶を支配は出来ない。


 「沙羅曼蛇さん、そいつの本名は?」


 「そのまんまだ、邪 神(ヨコシマ シン)。単純にシンとも呼ぶ・・・邪悪な心を持つ、魔王だ」


 すごい名前だな・・・


 だが、そう言うと沙羅曼蛇は去っていった。何だったのだろうか、普段威厳を振りまき自分こそが絶対だと言う雰囲気が今の沙羅曼蛇にはなかった。なぜ今その話を私たちにしたのか。本当に偶然聞いたからなのか?


 分からない、ただ・・・沙羅曼蛇の目にはまだ私たちには見えない何かを見ていた。奴が何を見ていたのかまでは分からないが、今、何かが動き出そうとしている。それは確かだ。


 ・


 ・


 ・


 創暦 ???年


 はい、今日の話はここまで!え?今日は何か短いって?まぁそんな焦んなさんな、ここからはちょいと長いお話になるからさ。そうだねぇ、名付けるのなら、『氷の魔王編』ってとこだね。


 この異世界を震撼させる邪神と呼ばれる男、そいつは圧倒的な力を持ち周辺国から恐れられていた。しかしそんな彼が遂に動き出す。その圧倒的な力を前に永零たちは、そして沙羅曼蛇は、さらには周辺国はどう動くのか。乞うご期待って事で、また今度。

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