第十四週:パジャマとニヤケ面(土曜日)
『それでは、この『銀河相乗り指南書』に書かれてある 《ダネイ&リー飛行倶楽部》のホームページにアクセスすればよろしいわけですね』
そうそう。別名 《エラリー・スカイハイ・クイーン》。
『それでは、少々お待ち下さい』
「大丈夫かな?」
まあホームページに繋ぐだけですし。直ぐだと想いますよ。
『アクセス完了しました』
ほら。
『が、ただ、《ダネイ&リー飛行倶楽部》、別名 《エラリー・スカイハイ・クイーン》は、北銀河を中心に四千六百四十九の支部を持っておりホームページもその支部ごとに開設されているようです』
うん? 『相乗り指南書』に載っていたアドレスで良いんだけど?
『それが、Mr樫山。『銀河相乗り指南書』掲載のホームページは既になく、ある時期に炎上、分離、分割の上で各支部に分配されたようです』
……うん? ごめん。言っている意味がよく分かんない。
『各支部のコンピューターに情報を分けて頂いたのですが、それらの情報を統合してみたところ、どうも『銀河相乗り指南書』に掲載されていたような牧歌的な 《ダネイ&リー飛行倶楽部》は既にないようなのです』
……飛行倶楽部ではなくなったってこと?
『いえ、引き続き各支部ごとに飛行倶楽部としての活動は続けているようなのですが、その教義の違いから互いが互いを――』
ちょ、ちょっと待って。“教義の違い”?
『はい。道具を使わず飛行するための教えの内容・主張が大きくは七つ、細かくは四千六百四十九に分かれているのが、現在の 《エラリー・スカイハイ・クイーン》のようです』
(続く)




