第十四週:パジャマとニヤケ面(火曜日)
※筆者注:
以下に引用する歌は、元々東カリグナ語で歌われたものを筆者が銀河公用語に訳したものであり、その為、語呂の悪さ、韻律の不自然さ、「ちょっと何言ってるのか分かんない」的フレーズも随所に見られるかと想われ (以下略)。
*
「ママはパジャマのままパジャマのパパを呼んだ~♪」
と突然、オオケヤキの上でシャ=エリシャが早口に歌い始めた。
すると、この彼女の歌声に応えるように公園の向う側から、
「パパはバウンド、ママはラウンド、ブーブーブーのブーイング~♪」
と歌い踊る子供たちの一群が現れた。
そうして、
「ワーン、ワワワワ―ン、ワワワー♪」
と、ケヤキの上から飛び降りつつエリシャが続け、
「ワンワワ、ワンワワ、ワン♪♪」
と、子供たちが返し、
「ワワワワ~ン♪」
と、子供たちの一群にスキップで向いながらエリシャが歌い、
「ニャーン、ニャニャニャニャ~ン、ニャニャニャー♪」
と、子供たちが続けると、
「ニャンニャニャ、ニャンニャニャ、ニャン♪♪」
と、エリシャが返した。
すると最後は全員で見事にハモリながら、
「ニャニャニャニャ~ン♪♪♪」
と、決めた。
*
「フェテス?」
と、オオケヤキの上からシャ=エリシャが訊ねた。
「また見たの?」
すると問われたナビ=フェテス少年は、公園の向う側に向けていた顔を木の上に立つ幼なじみの方へと向け直すと、
「うん。実際、君も歌ってた」と、言った。
「今度はなんだって?」と、エリシャ。
「パパのパジャマが何とかかんとか」
「なによ、それ?」
「さあ、意味不明なのはいつものことだし」
「パジャマの他には何か言わなかったの?」
「えーっとね、……なんか皆でワンワンニャンニャン歌ってた」
(続く)