表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
78/331

第十三週:恋人とJJJ(月曜日)

「叔母さんの恋人が妊娠した?」


 と、いつもは糸のように細い目を大きく見開きながらシャ=エリシャは訊き返した。


「子宮移植手術をしたってこと?」


 この質問に対してナビ=フェテス少年は、


「違うよ、今の叔母さんの恋人は心も体も女の人だもん」


 と、バニラとチョコレートのアイスにストロベリーのソースが掛かったカップを彼女に渡しながら言った。


「でも実際、生まれて来る子どもの遺伝子には叔母さんのも半分入っているらしい――詳しいことはよく分からなかったけど」


「ふーーん……あなた、また何かした?」


     *


 さて。


 4230年代後半にジュー・ジュラックス・ジュランが復活した理由については様々な分野の様々な専門家が自説を展開しているが、それでもやはり、これと言った説得力のある説明がなされているとは言い難い。


 ある者は二百年以上続く不景気が西銀河全体を覆い続けた結果だと言うし、またある者はエスラグ星ゴドピ族の栄養満点滋養食『願叶七龍珠 (願いを叶えて七龍ボール)』が帝都を中心に大流行したからだと言った。


 まあ、スパイスがふんだんに使用された滋養強壮食の流行と青色人種並びに彷徨える尚偉人を社会から抹殺しようとする秘密結社の黄泉帰りにどのような因果関係があるのかはその鈍器にもなりそうなクッソ重い論文を読んでもまったく分らなかったが、


 取り急ぎここで重要なことは、ある時期、西銀河のあるエリアでは、相当数の惑星たちが、この非道極まりない秘密結社の虜になってしまったと云うことであり、


 また、フェテス少年の暮らす 《フィクスバク》のような青人が八家族、尚偉人が三人 (しかも異星からの長期出張者)しかいないような惑星では、その攻撃対象が女性間同性愛者に移ったと云うことであった。



(続く)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ