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第九週:翻訳技術と覇王別姫(火曜日)

「なるほど、それはアヤツも困ったろうのう――」


 と、緑ん頬を真っ赤に染めて老人が言うた……おっと、失礼――老人は言った。


 すると、これに対してサン=ギゼは、


「そなあに笑わんといてください。これでもこっちん人にも分かりやすぅなるよう話しちょるつもりやったんですから――」


 と、西銀河んひとでもようけ聞こえるようにしっかりジブンがゲンを……っと、またまた失礼――西銀河の方々にもしっかりと聞き取れるよう言葉を選びつつ、言った。


     *


 さて。


 何週間か前 (第五週の水曜日)のこの連載でご紹介した西銀河西南域特有の「インシェン」と云う言葉については、各方面――特に第一部からの熱心な読者の方々からは様々な疑問・質問の類いが寄せられているが、それらをまとめて要約すると――、


『第一部に登場したイン=ビト王以下あの惑星の兵士を見る限り、とても「無口」とは言い難いのでは?』


 ……と、云うものになる。


 なるほど、確かに。


 では、何故、「インシェン」と云うような言葉が生まれたのか?


 それは主に、この時代は翻訳技術……と云うかその為のデータ蓄積が進み切っていなかったことと、そこにイン=ビト王支配域の言語の、何と言うか……“怖さ”があった。


 そう。


 例えば二人のイン=ビト兵が『昨夜なに食べた?』と云う話をしたとしよう。


    *


「おどりゃあ昨夜はあんあと何処ぞ行った」


「ワシャオマエこの前ジブンが言うとったコーのダボが始めた云う店行ってぎょうさん魚ぁ喰ろうたんやが、これが大層やすうてのう」


「あっはっは。そりゃおどれがそのぶっさいくなツラぁかまして行ったけぇジイさまが気ぃきかしてくれたんよ――酒は?」


「おお、これがまたぎょうさん飲ましてくれ――」


 ……って、今日の分の紙数もう終わり?



(続く)

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