第六週:仔馬と大剣(土曜日)
「一世大帝の話を聞くって、なに、そのMrって人、大帝陛下とも知り合いだったの?」
まあ、あの身体になる前のことらしいですけど。
「はあ、《時主》ってのはスゲエなあ、何度も生き返るし、気が付いたら色んな所に首突っ込んでるし」
あ、でも、Mrの話だと、色んな所に首突っ込むのは 《時主》でも珍しいタイプらしいですよ。
「そうなの?」
らしいですね。本来の 《時主》族は学者タイプだそうで、家や研究室に何年も何十年も入り浸る感じなんだそうです。
「ああ、そう言えばここにも『マ〇オカート』の研究ノートみたいなのあったな」
多分、ついついやっちゃうんでしょうね。
「でも、銀河の色んなところで聞くぜ? 《時主》の人の話」
だから、その“珍しいタイプ”が超長生きで身体も変わるし、首を突っ込んでは銀河を掻きまわすので、数は少なくても話としては残っちゃうんでしょうね。
「あー、なるほどな」
だから、「自由さ加減では 《ジバレー》や 《サカタッティ》の人たちには敵わん」ってMrが言ってました。
「まあ、セイの兄さんみたいに光以外の知性体と仲良くつるんでるってのは珍しいな。何しろ寿命も速度も合わな過ぎるから」
秒速30万kmですもんね。
「俺たちより早い奴らはいないもんな」
……あれ?そう言えば、皆さんの寿命っていくつぐらいなんですか?
「寿命?ないよ?」
え?!
「いや、ひょっとしたら宇宙に終わりが来たら消えるかも知れないけどさ、基本、ほら、なんだ?その……光だから?」
(続く)