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イースターSP:復活祭とビッグバン(土曜日)

 え?


 それからみんながどうなったか?


 あー、やっぱり気になるもんですか?


 えーっと…………、


 じゃあ先ず、アーロン・オクスフッドとローベルト・モールトン教授のカップルなんだけど、彼らはモールトン教授の強い希望もあって養子ではなく人工胎内受精による妊娠・出産を経て元気な女の赤ちゃ……って違う?ああ、主要メンバーだけで良いのね?……これはこれで面白いのに――。


     *


 えっと……じゃあ、先ずはロン=カイとシャーリー・ウェイワードの二人だけど、彼と彼女はこの後騎士学校へと戻り、それはそれは大層立派な騎士に成長することになる。


 で、その後、シャーリー・ウェイワード二十七歳の春に晴れて結婚することになるワケだけれども、この辺りの顛末は話せば長くなるので、またいつか別の機会に。


 ちなみに。ロン君の左腕については、ロボット工学の技士でもあったアーロンさんが見事な義手を作ってくれたようで、「元の腕より動きが良い」との言葉が残されてたりする。


     *


 で、結婚と言えば、彼らよりずっと早くに結婚したのがナビ=フェテスとシャ=エリシャのお二人で、彼らは確か二人が二十歳になるかならないかぐらいで結婚“させられた”んじゃなかったかな?


 と云うのも、フェテス君はこの後、その食い意地の確かさを認められて、食堂経営者であったエリシャのお父さんから料理人になるよう勧められるんだよね。


 で、まあ、それがまた性に合っていたんだろうね、メキメキと頭角を現すと、


「ちょっと帝都に支店を出してみたいんだが」


 とのエリシャのお父さんの提案に乗せられて、


「だったらエリシャも連れて行ってあげて」


 との同じくお母さんの提案にも同意したりして、


「まあ良いですけど、実際」


 と、そんな感じで結婚にまで辿り着くことになった。


 ――らしい。


 又聞きだからよく知らないけど。


「まあ、毎食美味しいから良いんだけどさ」


 とは、結婚後のエリシャがシャーリーに伝えた言葉だそうだけど、彼女はそれから男の子二人と女の子一人のお母さんになって毎日を忙しく過ごしているんだってさ。


     *


 あ、毎日を忙しくと言えば、ウォン師匠はこの後、長らく続けていた隠遁生活を止めて 《サ・ジュジ》の師範代として迎えられることになる。


 それまでずっと断わってたんだけど、ひょっとするとロンやシャーリーに触発されたのかも知れない。「日々忙しく少年少女らの生長を見守っております」との言葉が一世大帝宛ての書簡に残されてたからね。


     *


 あ、で、書簡と云えば、その同じ書簡の中にはギゼさんとシズカさんに関する記述も残ってて、ウォン師匠にしては珍しく筆が乱れててさ、ちょっと微笑ましいんだよね、これが。――よっぽどシズカさんの結婚が嬉しかったんじゃないかなあ?


     *


 あ、で、シズカさんの結婚と云えば、その時の集合写真が帝都図書館の本の中に載ってたんだけど――一世大帝も出席してたからだろうね――その写真をよく見ると葉来さんが隅の方にチョコッと写っててさ、『あっ!』ってなったんだよね。彼についてはどの史書にも記述が無かったからさ。


     *


 あ、で、記述が無いって言えば“エル”と“少年”のその後についてはどの史料を読んでも載ってなくてさ、多分一世大帝との間で不可侵条約みたいな物が結ばれたんだろうけど、これも結局は第二次オートマー……ってなに?坪井くん?


「それは第三部にまわしてくれ」?


 ああ、そう言われればそうだね……え?あとそろそろ紙幅が足りない?良いじゃん、増やせ…………え?最近無秩序に増ページばかりしてたから君が怒られてるの?……それは、うん。なんかごめん。


 でも……え?あと一枚分しか残っていない?で、でも、肝心のフラウス君とアイスのその後とか…………あ、それはボーナストラックでやって良いのね?――だったら良いかあ。


     *


「ね?」と、右のような坪井と樫山のやり取りを眺めながら木花咲希が言った。「やっぱり何も考えずに書いてたでしょ?」


 するとこの言葉に、「もうちょっと筋立てとか考えながら書いてると想ってたんだけど――」と、佐倉八千代が応えて言った。「“想い付くままダラダラ”って咲希ちゃんの言った通りだったね」


「でもまあ、それはさておき」と、ここで小張千春が二人の会話に割って入りながら「そろそろ地球――石神井公園ですよ」と言った。「時間もピッタシ、出発した時と同じです」



(続く)

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