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第四十九週:鷲鼻とヤシの実(月曜日)

 さて。


 例えば我らが野蛮惑星 《地球》で――どこぞの誰かの『促成栽培ライト』で植物たちが急激な変化を遂げる前の 《地球》で――一番大きな植物の種子と云えば、それはやはり 《ヤシの実》であろう。


 特にその中でも 《オオミヤシ》の種子は最大で、一個で長さ35cm、重さはなんと20kgにもなるケースもあると言われている。


 また逆に小さいものでは、シャクナゲの種子などは長さ1.5mm、幅0.5mmほどしかないし、着生ランの種子に至っては砂ぼこりほどの大きさしかない。


 もちろんこれらはそれぞれの種子の生存戦略とも関係していて、前者の 《オオミヤシ》の種子なんかは出来るまでに10年も掛かるし、頻繁に種子を飛ばす他の植物と一概に…………え?


「一体なんの話をしているのか?」


 ああ、で、こう云う部分にも『促成栽培ライト』は急激な変化を促がしてたりするらしくて――“シズカ”さんも可哀そうに。


     *


「あの」と、心配そうな声でフラウスが言い、


『大丈夫ですか?』と、笑ってはいけないと想いつつも、ついつい口元を緩めながらアイスオブシディアンが訊いた。


『だ……だいじょ……』と、


 先ずは手足にちっちゃくて離れなくて繁殖期のグランダナモシロイナゴのようにドンドン増える各種“ひっつき虫”に取り付かれ、


 身動き取れなくなったところを狙って飛んで来た中程度の重さの各木の種子 (2~5kg)に背中と肩に乗られて押されて地面に倒さ……押し潰され掛けたところで、


 前述の 《オオミヤシ》の数倍はあるであろう 《グレートヤシ (スーパー無限インフィニティ豪華デラックス進化版)》の実に


 ドカドカドカドカ、ドッシン。


 と、大量に乗っかられながら“六祥・シズカ”は――息も絶え絶えに言った。


『ごめん…………やっぱり助けて』



(続く)

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