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第四十六週:パートとタイマー(木曜日)

 クェーン、クェーン、クェーン、クェーン、


 と、大鼻大耳の男性のいつものラチェットレンチがいつもの奇妙な音を立て、その後、


 ビン・ボン、ビン・ビン、ボ、ビンビン。


 と云う、(理由は分からないけど)PTAの保護者の方々から白い目で見られても仕方がないような音を出し、その持ち主に計算の終了を伝えた。


「うん」


 と、レンチの目盛りを見詰めながら満足そうに男性。


「やはりサンプルがあると違うな、助かったよ。ええっと……」


 すると、この言葉に“サンプル”は、


「“葉”だよ」


 と、少し複雑な顔と声で応えた。


「“葉来”――ま、憶えて貰わなくても構わないがな」


「いや、改めて礼を言うよ、葉来さん。これで相手の場所が掴めた」


「ふん。“すべての宇宙が無くなるかも知れない”とまで言われたんだ。協力せんワケにもいかんだろう」


「良い人だな、あんた」


 ――サマラタと気が合いそうだ。


「ああ、よく勘違いされるがな」


 ――こっちの“あの人”なら気は合うかもな。


「それで」


 と、ここで件の“サマラタ”こと西銀河帝国皇帝ランベルト一世が口を挟んだ。


「で、誰を行かします?」


 ――うちの連中は血の気と好奇心が多くてね。


「みな行きたがっているようなのですが」


 そう問われた男性が皇帝の後ろを見ると、そこにはやる気と度胸と人情と鋼の肉体だけはたっぷりありそうな騎士たちが興味津々の顔付きで並んでいるところだったが――


 みんな脳みそまで筋肉みたいだな……。


「あー」


 と、言葉を選びつつ男性。


「行けても三~四人が限界だろうから……」


 誰を選んでも角が立つだろうし。


「私と陛下、それに道案内の葉さん……と、小さな子供もいるらしいから、優しそうな人を選んでくれるか?」



(続く)

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