表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
265/331

第四十四週:結婚式と懐中電灯(火曜日)

「それではフラウス――私の孫とフェテス君、それにエリシャ嬢の命を助けてくれたのは貴方でしたか」


「孫?――そんなことは一言も」


「家の事情もあり、ずっと別の惑星に住んでおりましてな――私の名を出し面倒が起きては困るとでも想ったのでしょう」


「言ってくれていれば、まだやりようがあったのだが」


 ――あまり似ていないな。


「避けていたのでは?」


 ――母親似でして。


「“ここ”はな。だが、背に腹は代えられんよ、実際、いまこうして話している」


「いつでも頼って下さい」


「貸し借りは作りたくないんだ――アンタらと違って長生だからな」


「では、今回の件も?」


「ああ、手は貸す。手を貸してくれ」


「――変わりませんね」


「魂だからな――あの男か?」


「はい。姓は葉、名は来。“あちら”から来たと言っております」


     *


『何か――誰かかしら?見付かった?』


『ええ、ソケットに付いていた痕跡から五……六名?ほどの何者かが我々と同じ“穴”を通ったことが分かりましたが……“ここ”までは辿り着いてはいないようです』


『“穴”に押し戻されたってこと?』


『いいえ、途中で振り落とされた感じですな。元の宇宙に戻った痕跡はありません』


『……つまり?』


『運が良ければ 《ホーライ》内の別の時空に。運が悪ければ……時空間の間に挟まり、その間を漂い続けることになるでしょうな』


『生身で?』


『タイムポッドやタイムベルトが通った風でもありませんから、恐らくは』


『なら、“TPの私”ではないですね?』


『ええ、恐らくもう一人の方かと――』



(続く)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ