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第四十三週:ケヤキと椎の木(土曜日)

 そうして更に、すっかり忘れていたんだけど、更に更なる別の次の瞬間。


 《ウー=シュウの大虎》ことス・イゲイと、かつては 《戦場の微笑み》とまで呼ばれ怖れられた盲目の達人ウォン・フェイは、だだっ広くて素っ頓狂で、その真ん中には巨大な球形コントロールパネルが浮かんでいて、どこからともなくカスタードクリームの甘い香りと揚げたてフライの匂いのする――要はMr.Blu‐Oのポッドの……コントロールルームを取り囲む歩廊の上に居た。


「なんだ?!ここは!!」


 と、まず最初に驚きの声を上げたのはイゲイであったが、目の見えないフェイには彼の驚きの意味が分からない。


「どうかしましたか?ス師匠?」


 と、周囲にはまだロンやシャーリーやフラウスその他が居るのだと想いながら彼に声を掛ける。


「突然そんな大きな声を出しては子供たちが驚きますよ」


「いや、違うぞ、フェイ、見……と言っても無理か、周囲の様子が変わったと想わんか?」


「……はて?そう云えば、ロン君の気配もウェイワード嬢の気配も……なにやら甘ったるい香りがしていますな?」


「うわあ!!」


「どうされました?!ス師匠?!」


「ひ、ひか、ひか、ひか、き、黄色、黄色の!ヒトの形をした黄色の光が!!」


     *


「おいおい、そんなに驚くなよ、驚いてるのはこっちもなんだから。―― 《ジバレー》って見たことない?高等な知性を持った黄色の……ない?……初めて見たしウソだと想っていた?あ、そう。……おーい、樫山さん、なんか普通のヒューマノイドみたいだぜーー」


 りょうかーい。そしたら話聴きますんでーー、下りて来て貰ってくださーーい。



(続く)

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