第四十三週:ケヤキと椎の木(月曜日)
「え?」
『……森?』
「……さっきまで学校に居たよね?」
『私はボックスの中に居て……また“飛んだ”んでしょうか?』
「一瞬、目の前が暗くなった感じはあったけど……アイス君だけ?他の人は?」
『私もMr.Bと遊んでたら、急に目の前が真っ暗になって……私とフラウスさんだけみたいですね』
「いつもこんな感じで“飛ぶ”の?」
『いつもは……“飛ぶ”前に例の“穴”が見えたり……誰かが私を呼んだり……』
「今度は?そういうのは?」
『特に……そう言えば、ボックスの下の方で大きな音がして――』
「音?」
『ゴオォン。ゴオォン。って、そしたらBが「最近コイツ、機嫌ガ悪インダヨ」って――』
*
「ウォン師匠ーー?ス師匠ーー?…………やっぱりいそうにないわね――カイ君、そっちは?誰か見えたりしてない?」
…………。
「そう?フラウスーー?シャーリーよーー?…………なんでこんなボロボロの街に?ここってまるで雷か何かにでも――え?なに?」
……。
「あそこの看板?確かに文字は書かれてあるけど……全然読めないわね。……古いバグラシア語とかかしら……」
……!
「絵?あの気味の悪い?あの斜めの?二つの塔?……何かで聞いたような――」
……!!
「え?アレと同じ塔があっちに?……あ、本当、同じのが建っているわね……雷?……二つの塔?……棄てられた街…………ここって、《ソディムの都》なの?」
(続く)
 




