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第四十二週:パンクとショート(土曜日)

「あれ?」と、コントロールルームに戻って来るなり佐倉八千代は言った。「なんか良い匂いしません?」


 と云うのも彼女は、お手洗いに向うためコントロールルームを立ったは良いが、巨大迷路四十二個分の巨大さと複雑さを持ったMr.Blu‐Oのポッドの中で半分迷子になっていたため、“平行宇宙に行けるかも?”な話にも“フィッシュカスタードってなに?”な話にも全く参加していなかったからである。


「私の分ないんですか?」と、八千代が訊き、


「あ、すっかり忘れてました」と、手に付いたフライの油を舐めながら (はしたないなあ……)小張千春が応え、


「私は覚えてたんだけど――」と、ほっぺに付いたカスタードクリームを舌で取ろうとしながら (だからはしたないって……)木花咲希が言った。「これが食べ出したら止まらなくってさあ」


 ――そうなの?


「えー、なんだかんだで私もお昼抜きになっちゃったからお腹ペコペコなのにーー、咲希ちゃんと小張さんばっかズルいーー」


     *


 うーん?結局よく分からなかったけど、つまり、このポッドと“別の宇宙”からの僕のメールを使って多元宇宙に行けるってこと?


『はい。なにぶん初めてのことですしやってみないと分りませんが、問題のメールが出された宇宙であれば、90%以上の確率で行けるように想われます』


 はあ……それって結構スゴ……うん?なに?八千代くん…………あの辺にある他の食べ物も食べて良いか?お腹が空いて倒れそう?……Mrのだから味は保証し……全然構わない?あーまあ、だったら良いけど――、


『あの――樫山様?』


 あ、うん、ごめん……なんの話だったっけ?


『いえ、また新たなお客様が来られたようですが――如何致しましょうか?』



(続く)

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