表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
253/331

第四十二週:パンクとショート(火曜日)

 で。


 まあ詳しい理屈は避けるのだが (どうせ私もよく分っていないし)、例の 《女神たちの滝つぼ事件》において近付き合ったりぶつかり合ったり壊し合ったりした宇宙たちの中のいくつかの (と云うか無数の?)宇宙たちにおいては、この“限りなく無限に近い小ささ”の“亀裂”が、あらゆる宇宙のあらゆる時間のあらゆる空間にいくつも出来ることになった。


 ――らしい。


 よう知らんけど。


(私もさる知り合いから三日三晩ぶっ通しで大変熱の籠った講義を受けたりもしたのだけれど、結局、まったく、全然、サッパリ、意味不明だった)


     *


 ブーブーボーソー、ブーブーボーソー。


 と、“エル”の起伏に乏しい胸元に隠したソケットが鳴ると、


「あちらの少女です」


 と、彼女の下へ青い光を案内して来た宦官ティが言い、


『なんか聞き覚えのある音だな』


 と、案内されたその青い光が想った


 ――瞬間、


 ブググググ、グフ、ブググ。


 と云う奇妙な次元振動が起こり、


 グバァ。


 と、“エル”の丁度真横に“抜け穴”が開いたかと想うと、


『お待たせ致しました』


 と言う声とともに、“死者の惑星”の少年が現れ、“エル”の手を取り立ち上がらせ、


 『それでは――我らの惑星に戻りますか』


 と、言った。


     *


「あ、そう云うことだったのね」


 と、本当に今しがた気付いたと云う声と表情で博士が言った。


「ずっと“ドコかで見た顔だなあ”って想ってたんですよ」


 と云うのも、いま彼女の目の前に居るのは、互いに見詰め合ったまま身動き一つ取れないフラウスとシャーリーだったからである。


「あの時は途中で呼ばれてキチンと見れなかったんだけど、ちゃんと仲直りしてたのね」



(続く)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ