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第四十週:殺気と動機(木曜日)

「それって、この前会った女の子じゃないですか?」と、ストーン女史が言い、


「女の子?」と、博士が訊き返して来たので、


「ホラ、例ノ酒臭イオッサント一緒ダッタ」と、Mr.Bが補足した。


 ――アンタラト違ッテ可愛イ顔シテタジャン。


「あ、あの気の強そうな子?」と、博士。


 ――私達だって本気出せば可愛くなるわよ。


「そうそう。イゲイさんに“ウェイワード嬢”って呼ばれてた」と、ストーン女史。


 ――仕事のストレスで肌荒れがひどいだけです。


 するとここでフラウスが、


「瞳の色は?蒼くなかったですか?!」と、少々食い付き気味に訊いて来たので、


「確カニ、きれいナ蒼色ダッタヨ」と、にやけた面のBが答えた。


 ――若イッテ良イナア。


「じゃあ、」と、こちらもにやにや顔の博士。「イゲイさんの所に行ってみますか――」


     *


『ねえ、やっぱりソレ返してくれません?』


 と、後ろ手に縛られたまま“エル”が言った。


『あと、こんなカヨワイ女の子縛り上げてたら色んな方面から色んなこと言われちゃいますよ?』


「いいから黙っておけ」


 と、彼女の訴えも適当に『朱南』のロスト・リチャーズは言い、


「“返せ”と云うのだ、返さぬ方が良いだろう?」


 と、彼女の“バズ・ソケット”を眺めながらJ・B・ワイアッドが続けた。「何を考えてるのかは全く分からんがな」


 ここは宮殿北側にある医療棟の一室。彼ら騎士は葉来の手当てが終わるまでの監視役として二人に付いて来ているのだが、宦官ティの呼び出しもあり少々急いでいる様子だ。


「想ったより掛かるな」と、ロストが言い、


「陛下の技を受けたのだ」と、J・Bが返した。「見た目よりも酷いのだろう」


 と、ここで突然、


 ビジジジ。


 と“エル”の隠したソケットが鳴った。



(続く)

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