第三十九週:下ネタとパンダ柄(土曜日)
「どうです?何か分かりそうですか?」と、坪井西子は訊いた。「と云うか、そろそろスマホ返して欲しいんですけど」
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『もうしばらくお待ち下さい。何分にも旧型のデバイス過ぎてハッキ――アクセスが難しくて』
「同じ地球の機械なのにな」
『私は地球製ですが、このポッド自体は 《時主》の――と云うかMr.Blu‐Oの特製ですので、そこのギャップを埋め…………すみません、坪井さま。こちらのフォルダの画像は“不審な物”ではないのでしょうか?』
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「え?どれで……キャア!モニターには映さないで!!」と、坪井。慌てふためきながらコントロールパネルの大画面に映し出された (*検閲ガ入リマシタ)な男性たちのイラストを身を挺して隠す。
「なになに?何かあったんですか?」と、佐倉八千代が画面の方を向こうとして、
「きゃあ、ヤッチは良いのよ」と、彼女の目を塞ぎながら木花咲希が言った。
――坪井さんも“こっち側”の人間とは想わなかったわ。
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『ああ、はい。では、こちらの男性陣が (*検閲ガ入リマシタ)だったり (*検閲ガ入リマシタ)されていたりする画像は、あくまで坪井さまの個人的な――承知致しました』
「ごめん、樫山さん。何があったの?」
あー、まあ、デュさんは光だし、あんまり気にしなくて良いよ。
「はあ」
“鬼神は敬してこれを遠のく”ってね。まあ別に驚かないけど、スマホ預かる前に注意しとけば良かったね――で、どう?結果は?
『はい。音声メールの発信者なら特定出来ました。カシヤマ・F・ヤスシ様で間違いありませんが――宇宙が違っていますね』
(続く)




