第三十九週:下ネタとパンダ柄(金曜日)
「あら?」
と、タイムボックスの量子計算機 (パンダ柄)を調整していたストーン女史がつぶやき、
「どうしました?」
と、狂ったままの懐中時計 (西暦1827年製)を直していた博士が訊いた。
「座標って変えました?」と、ストーン女史。
「いいえ?」と、博士。「――B?」
「ナニモいじってナイヨ」
と、こちらはフラウスと“小さなアイス”のお守りで――と云うかオモチャにされて忙しいMr.B。
「ナニカアルト僕ヲ疑ウノ、イイ加減止メテクレ」
「そう云う意味じゃないんですけど――」と、懐中時計を持ったまま移動する博士。「こっちのモニターの数値は変わってませんよ」
「でも、計算機への返しが変わっているんですけど――」と、計算機のモニターを博士の位置まで移動させつつ女史。「ほら、ここで差分が出ちゃってます」
*
「では、フェテス君とエリシャ嬢が貴方を呼んだワケかね?」と、皇帝が訊き、
「呼ばれたのはオレの連れの方ですけどね」と、青い光が返した。「場所が場所だけにアンタに断わって来いってソイツに言われたんですよ」
「連れの方はどちらに?」
「今は“抜け穴”を調べに行ってます」
*
「メモったか?」と、大耳の男性が訊き、
「メモったよ」と、フェテス少年が答えた。「“М53・М85”……なんか、最初に戻ったっぽいね」
「ああ、なら、それで合ってる」
「どう云うこと?」
「この前見せた缶バッヂがあったろ?あれと同じと云うか似たようなもんだからな――グルッと回って螺旋を描いて、その真ん中に“穴”を作るようにしているんだろう」
(続く)




