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第三十九週:下ネタとパンダ柄(木曜日)

「ああ、よかった、皆さん居られましたよ」と、ローベルト・モールトン教授が言い、


「あそこの背の高い白髪の方です」と、アーロン・オクスフッドが続けたので、


「あれがランベルトの皇帝かい?」と、少々意表を突かれた感じで青い光は応えた。「なんか普通に年寄りだな?」


 ――ジイさんの言い方だと血気盛んなお坊っちゃんって感じだったけど。


「ちょっと、言葉には気を付けて下さいよ」と、教授が言い、


「ああ見えてお気の強い方なのですから」と、オクスフッドが続け、


「分かってるよ」と、改めて青い光は返した。「――取り敢えず話をさせて貰おうか」


     *


「久しいな!フェイ!元気だったか?」と、いまにも抱き付きキスしそうな勢いでス・イゲイは言い、


「無沙汰をして申しわけありません」と、そんな彼から身を躱しながらウォン・フェイは応えた。「師匠こそ健勝なご様子、私も安心致しました」


「おいおい、変わらず硬いな」と、イゲイ。「硬くて良いのはアソコと信念だけだぞ?」


 …………え?下ネタ?


「いやいや、共に戦った仲とは言え、今や師匠は 《サ・ジュジ》で人を教える身、以前のように接するわけには参りますまい」


 ――子供たちもまだそこに居りますし。


「よいよい、気にするな、人を教えるとは言っても何も知らんガキどもに適当を話しておるだけだよ」


 ……ちょっと先生?


「なるほど、そう云う適当な会話の中に武術の何たるかを入れておられるわけですな」


 ――少々匂うが、また昼間から飲んでおるのか?


「阿呆を言え、そんな器用な真似、ワシに出来るハズがあるまい」


 ……困った人だなあ。


 と、ここで突然フェイが、


「はっはっは」と、空笑いを始めたので、


「へ?」と、イゲイも一瞬戸惑ったが直ぐに、


「アッハッハッハ」


 と、釣られ笑いを始めた。


「はっはっはっは――ス師匠」


「ワァハッハッハ――なんじゃ?フェイ」


「はぁっはっはっは――楽しいですなぁ」


「ドワァッハッハッハ――久方じゃしのお」


 と、ここでフェイは一瞬、


「ああはぁっはっはっは!!」


 と、空笑いのボリュームを上げると、直後、


「酒は慎めと言っただろう (笑)」


 と、イゲイにだけ聞こえる声で呟いた。


 そして――、

「は?」と、イゲイが戸惑う間もなく、


 トス。


 と云う絹を叩くような音が彼の月影辺りから聞こえ、


 トン。


 と、イゲイの頭がフェイの肩に垂れ掛か――と、要は気絶させられたんですね。


「あっはっはっは、変わりませんな」


 と、フェイ。


「私が部屋までお運び致しましょう」



(続く)

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