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第三十七週:ヤンチャとスカウト(水曜日)

「では、賊は一人だけだったのですね?」と、『朱南』副団長J・P・ゼェペリが訊き、


「確かに陛下はそう言われていた」と、同団長E・C・ヤルドバズは答えた。「一応、仲間がいないか『白西』の連中が“聴取”しているそうだ」


「しかし、一人でとは――」と、ゼェペリ。


「ああ――我々はさておき、陛下を舐めるにもほどがある」


「陛下にお怪我は?」


「あるわけがなかろう」と、少し嬉しそうにヤルドバズ。「食後の運動程度だ」


 ――が、大層気に入られたようでもあった…………スカウトとかしないよなあ?


     *


“葉さんもスカウトした時は良いと想ったんですけどね――”と、リチャーズが始めた『キム=アイスオブシディアン』の検索結果を待ちながら“エル”は想った。


“相手が強過ぎるのか……、もうちょっと大人数で来れるように“穴”をどうにかした方が良いんですかねえ”


     *


「“穴”のある場所を特定しておきたいんだ」と、例のラチェットレンチを取り出しながら大耳の男性は言った。「出来れば、ここの連中が見付ける前に塞いでおきたい」


 すると、そう言って歩く彼に対して、


「で、でも、実際、頭は大丈夫なの?」と、心配そうにフェテスが訊いた。「割れたかって想うぐらいスゴイ音だったよ?」


 ――まるで宮殿の人達から逃げるように歩いてるけど。


「キズなら塞がったよ」と、丸刈りの後頭部をぺシパシと叩きながら男性。「君らより幾分頑丈に出来ているんだ、心配するな」


 ――それよりも心配すべきはここの“坊や”だが…………アイツの話が伝わるかな?


「皇帝になって少しは落ち着いてくれていれば良いんだが――」



(続く)

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