第三十六週:ダイヤモンドと警告音(土曜日)
(これまでのあらすじ)
と、まあ、そんなこんなで、自身の身の潔白を証明しようとすればするほど、叩けばホコリの出るカシヤマ・F・ヤスシなのであった――合コンぐらい赦してやろうよ。
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「合コンが問題ってワケじゃないですよね?」と、小張千春が言い、
「約束忘れて連絡も取れなくなったのが致命的と言うか――」と、佐倉八千代が続け、
「それを他の人のせいにしようってところが――」と、木花咲希が言ったところで、
「まあ、最悪なワケですよね――」と、所属作家に対する敬愛の念など皆無と云った感じに坪井西子が止めを刺した。
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ちょっと待って下さいよ、皆さん。さっきデュさんも言ったとおり、あの隠居所って携帯の電波がまったく繋がらないような場所で……なんですか?小張さん?……「この前起きた事件でも男の方が似たような言い訳をしていた」?知りませんよ!そんなの!……なに?八千代くん?……「本気で連絡を取ろうと想えばいくらでも方法はある」?いや、それは正論だけどね、大人の世界ってのはもうちょっと複雑で、どーにもこーにも……なに?木花さん?……ごめん、何も言わずに見られるのが一番怖いんだけど……。
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「と、まあ、そんな感じで――」と、坪井。「その“合コンすっぽかし事件”の直後にあんな音声メールが来たもんですから、今回の座談会も先生じゃなく私が担当することになったんですよ――高校生の八千代ちゃんや咲希ちゃんにセ○ハラしたら大変でしょ?」
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だから!あんなメール僕は送ってな…………あれ?ちょっと待ってよ……じゃあ、誰かがこの三人を集めようとしたってこと?
(続く)




