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第三十五週:コペンとハーゲン(金曜日)

「だから言ったじゃないですか」と、先ずはストーン女史が言い、


「でぃらっくノかじのナンテいかさまガ当リ前ダッテ」と、Mr.Bが続けて来たので、


「それで途中からアルゴリズムが狂ったように見えたんですね」と、博士は応じた。


「ま、でも、そもそも計算機の持ち込みからしてNGなんですけど――」


「博士ハソノ辺もらるガ低インダヨナ」


「それを注意しても聞いてくれないし――」


「結果、有リ金全部巻キ上ゲラレテンダカラ」


「そう言えば、本部の会計部からあの時の二万ボル早く返せって督促が来てましたよ?」


 と、タイムパトロール会計部取立て係の恐ろしさを身を持って知っている声でストーン女史が言い、それを聞いた博士は、


「それは鋭意金策中ですけど……」と、実際は何の策もないままに言った。


「ですから、これに懲りて」と、改めてストーン女史が言い、


「僕タチノ忠告モ偶ニハチャント聞イテダ」と、Mr.Bが続けようとしたところで――、


『ごめん! ちょっと良いかなあ?!』


 と、“黒の少女”と云うか“エル”と云うか“向うの方のキム=アイスオブシディアン”と云うか“博士をちょっとキレイなお姉さんにした感じの女性”と云うかが、


『わたし! さっきから! 全然話せてないんですけど?!』


 と、半ば切れ気味に叫んだ。


『せっかく役者が揃ってこれから主役 (私)が状況の説明って云うかこちら側の計画って云うか目的みたいな物を語ろうって時にですよ、なんでそう愚にも付かないことをペラペラペラペラ喋ってくれてるんですか?!』


 本当にね、特にBとライリーさんは――、


『なーに言ってんですか? 作者が一番どーでも良いことをダラダラダラダラと――』


 ――え? あれ? 私?


『“コペンハーゲンポーカー”なんかの説明に二日も使いやがってさあ、そんなもん「博士が博打で大損こいた」の11文字で終われるじゃないですか?それをなんで――』


 いや、あれは量子力学の多世界解釈からの連想で、読者さんからも質問があったし――、


『うるさい! うるさい! うるさーーい!!』


 あ、はい、すみません……。


『今はカヨワイ少女の身体ですから怒ったり叫んだりは極力しないようにしてはいますけどね、昔の私だったら今ごろ皆さん (*検閲ガ入リマシタ)で (*検閲ガ入リマシタ)で (*検閲ガ入リマシタ)ですよ?――その辺、作者さんなら分かるでしょ?』


 あ、は、まあ、それはもちろん……。


『じゃ、しばらく皆を黙らせておいて下さい』


 ……ええ?…………了解です。


『えー、それでは改めまして、私の目的は――』


 と、“エル”が言い掛けた瞬間――、


「おじさん!大丈夫?おじさん?!」


 と、今度はフェテスの叫ぶ声が彼女の邪魔をした。



(続く)

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