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第三十四週:ボビンと鈍い音(水曜日)

「“あの人”の御告げは?」と、フェテスを引き剥がしながらエリシャが訊き、


「結局、よく分らなかった」と、エリシャに張り付きながらフェテス。「最近、なんかハッキリしないんだよ、実際」


     *


『残念だけどね、フラウス君』と、“エル”。『君の知ってる人じゃないんだな、私』――その子と一緒で、顔も身体も同じだけどね。


 そう言いつつ“エル”は、宮殿内を騒がしていた空気が徐々に落ち着いて来ているのを感じていた。多分、来は皇帝に敗れたのだろう。運が良ければ拘束、悪ければ既に死んでいる。――もちろん“あの彼”はだけど。


『ま、でも、私の目的が君だってのは変らないよ』――彼が口を割る前に済ませたいなあ。


『あと、そこに居る方の“アイスオブシディアン”もね』――二人が一緒なのは……偶然?にしちゃ出来過ぎてるかなあ?


「目的?僕が?」――この子も?


『そうよ、分かるでしょ?』――結構な人が動いているっぽいけどそれほど騒がしくはないわね……やっぱり負けちゃったかな。


「なんの話ですか?」


『プラネタリウムで一緒だった人から何か聞かなかったの?』――どこのどいつか知らないけど、アレも時間を操作出来るんでしょ?


     *


「あのお姉さん、フラウス君が目的だってさ」と、使い慣れないパーティーバッグをガサゴソ探りながらエリシャが言い、


「年上に追い掛けられるなんて羨ましいなあ、実際」と、フェテスが答えた。「――まだ見付からない?」


「変な所に入り込んじゃってさあ」――なんで肝心な時に出て来ないのよ?「あの人ももう少し大きな道具をくれれば良かったのに」


「使い方分かる?」


「分からないけど適当に押してみるわ」



(続く)

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