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第三十三週:胡蝶乃夢と一陽来復(土曜日)

「どう想います?」と、坪井西子が訊き、


「どう想いますって言われましても――」と、小張千春は返した。


「小張さん、こう云うの得意なんでしょ?」


「――なにがですか?」


「謎を解いたり事件を解決したり」


「そりゃ警察が扱うような謎や事件なら演繹的推理でいくらでも解いたり解決したり出来ますけど、正直、そちらの会社?チーム?の中の事情までは分かりませんよ」


     *


「樫山さん、一体何をどうしたのさ?」


 それが、彼女たちがここに集まって話をしているのって僕の指示と云うか企画らしいんですけど、そんな指示も企画も出していないんですよね、僕。


「なら、あの子の勘違いなんじゃないの?」


 僕もそう想うんですけど、なんか「絶対にそんなことはない」って言ってて――、


「でも、指示や企画なら指示書とか企画書とかあるだろうし、そんなのなくても樫山さんってずっとハイパーリモートワークだから、メールなり動画メッセージなり残ってるんじゃないの?」


 ええ、ですから今、編集部にその時のやり取りを確認して貰っているんですけど――、


     *


 ピロン。


 と、坪井のスマートフォンが鳴った。どうやら頼んでおいた音声メッセージが届いたようだ。


「ほら、これですよ」と、ファイル名を確認しつつ坪井。「これが先生のメアドから編集部の皆に届いたんですから、改めて聞いてみて下さい」


 そう彼女は言うと、スピーカーモードにしたスマートフォンを東屋のテーブルに置き、皆に聞くよう促した。


 すると、そのスピーカーからは確かに若い男性の声が流れ始めたのだが――、



(続く)

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