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第三十二週:露台と空席(木曜日)

「その男の風貌は?」


 と、フラウスの目をジッ。と見ながら皇帝が訊いた。


「“光”と一緒だったと云うのは、《ジバレー》か?」


 すると訊かれたフラウスは、


「…… 《ジバレー》って?」


 と、前者の質問には答えす、後者にも質問で返した。


「ああ、お前は知らないか」


 と、皇帝。


「知性を持った“光”の一族で、黄色が 《ジバレー》、青色の方は 《サカタッティ》と呼ばれている」


 ――ただ、《サカタッティ》は全員、東銀河の小僧に狩られたと云う話だがな。


     *


「相手が子供だからって手加減しなくったって良いだろ?」


 と、件の青い光が言った。


「下手なウソを吐かすより記憶自体失くした方がこの子たちのためにもなるぜ?」


 すると問われた男性は、


「確かに出来ないことはないがな」


 と、光の方へと顔を向けつつ、


「“アレ”は相手の頭への負担が大き過ぎる。出来るならやりたくはない」


 と答えた。――私の頭にも影響が出るしな。


「それはさておき」


 と、目を細めつつ男性が、


「もう少し身体の波長を柔らかくしてくれないか?」


 ――お前を直視するにはまだ目が戻り切っていないようだ。


     *


「記憶を消せる?」


 と、露台に置かれた竹編み椅子に腰掛けつつ皇帝。


「それは確かか?」


「結局、消されてはいませんけど、その 《サカタッティ》?の人はそう言っていました」


 そう言った孫の言葉に、ならやはり“彼”かも知れない――と、皇帝は考え、


「その男の顔かたちは?丸顔の赤毛ではなかったか?」


 と、改めて訊ねた。


 するとフラウスは、少し不思議な表情で、


「いいえ、短い黒髪でした」


 と答えた。


「顔もどちらかと云うとゴツゴツしていて…………なんか、鼻と耳がやたら大きかったです」



(続く)

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