第三十一週:新しい声と冬のカモ(土曜日)
「それでは、あなたは 《ジバレー》の方なんですね?」と、小張千春が訊き、
「カシヤマさんの小説に書いてはいましたけど――」と、興味深そうに木花咲希が続け、
「本当に黄色いんですね――」と、開いた口を閉め忘れたまま佐倉八千代は言った。「まるでSFじゃないですか」――君に言われてもなあ……、
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「あ、じゃあ、俺たちの存在は知っていたんだ?こんな未開惑星だと知られていないと想……あ、樫山さんの小説に書いてあるのね。そうそう 《ジバレー》で合って――なんか間違えずに言ってくれた人って久しぶりだよ」
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「それで、今日はまたどうして石神井に?」と、小張。「私たちの座談会?は坪井さんにお任せするんですよね?」
「そうですよ、先生」と、これは坪井くんね。「Mrさんの隠居所を留守番することになったんじゃないんですか?」
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あ、いや、そうなんだけどね (座談会?)、実はこっちのデュさんが――あ、そうだ、ちょっと待ってね。えーっと、実は“カクカクシカジカ、アレコレドーノコーノ……”と云うワケで、地球に来ることになったんだよ。
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すると、樫山のこの突然の発言に坪井は、「どうしたんですか?いきなり?」と、彼から距離を置きつつ返した。「――いよいよ、キちゃいました?」
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あれ?やっぱダメか……博士とイゲイさんは上手くやってたんだけどなあ……“ツー”……あ、ごめん、そんな変な目で見ないで。
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「いや、前から変な目では見てましたけど」と、坪井。「で、結局、なんでココに?」
(続く)




