第三十一週:新しい声と冬のカモ(火曜日)
と、
まあ、
そんなこんなで、
話頭が転々とし過ぎて何処に向うのかもよく分からなくなって来ていますが……、
皆さん、付いて来て頂けてます?
私はそろそろ混乱がピークな、え?
…………ああ、ね、書きたくなったからって修道士の先生の話とか入れ込んだらそりゃ混乱もしますよね。
え?「イン=ビト王って誰なの?」
……すみません、それは第一部をご確認下さい。
で、と、まあ、そんなこんなで
……あんまり話がアッチコッチ行ってもアレなので、そろそろ話を主人公たちに戻しましょうか。
え?「主人公って誰?」
……それは、ほら、フラウス君ですよ、このお話のタイトルにもなってるでしょ?そう、あの彼ですよ。
で、ってことで彼はいま、フェテス君たちと一緒にお祖父さんの所へお食事に招かれていたりするんですが……、
え?「お祖父さんって誰?」
……だからそれは、西銀河帝国皇帝ランベルト一世ですよ。
*
「ほ、ほ、ほうと……本当に、わ、わ、わた、私も……私達も出席して良いんだろうね?」
と、その丸い体を細身のタキシードに詰め込んだローベルト・モールトン教授が訊き、
「だって実際、“保護者同伴”って言われたんだもん、ここじゃ先生が保護者でしょ?」
と、首元の蝶ネクタイが苦しくて仕方のないナビ=フェテス少年が答えた。
すると、そんな教授の緊張を緩めようと、
「大丈夫、タキシード姿もきまってるよ」
と、彼の肩に優しく手を乗せながら言ったのは、新婚ホヤホヤ、教授のパートナー、麗しのアーロン・オクスフッド (♂)であり、
「それに、脱がせる楽しみも増えたし……」
と、お耽美全開な彼に、
「あの、それ、陛下の前では止めて下さいね」
と注意を促がしたのは、正装ドレスが苦しくて仕方のないシャ=エリシャ嬢であった。
(続く)




