第二十八週:汗と涙と膨張と収縮(土曜日)
ブブブ。
グオン。
シュン。
ギギギギギギギギギーーーーーギャース。
*
『お待たせ致しました。地球到着です』
え?
「本当?」
『何か疑問でも?』
あ、いや……。
「なんか色々言っていたわりに、あっけなく着いてない?」
『はい。私も少々驚いております』
驚けるんだ?
「機械なのに?」
『私は大変優秀な機械ですので、人間並みに驚くことも可能なのです』
はあ……。
「まあ良いけどさ、じゃあ、ここはもう例の 《浮遊舎》ってとこ?」
『直接乗り付けては不躾ですので、正門玄関より300mほど離れた場所に着時・着陸しております』
着時?
「タイムトラベルもしたの?」
『銀河標準時的には先ほどの一分後ですが、距離の移動に比して極端に短い時間ですので、タイムトラベルと言えばタイムトラベルと言えるかも知れません』
ああ……???うん、よし、分かった。
「樫山さん、分かってないんだろ?」
『よろしければ詳しく解説致しますが?』
いやいや、紙数も足りないし、作者も困るし別に良いよ。
「……作者?」
『あ、そこはそっとしておいて下さい……と、私のプログラムが言っております』
ま、それはさておき。じゃあ、扉の外は地球のニホなんとかって場所ね?
「そこのネオシャクなんとかってとこ?」
『はい。外に出て確認してみて下さい』
(続く)




