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第二十五週:踏み台と抱擁(火曜日)

『クースラポリの義憤!』


 と云う女性の声が場内に響き、と同時に、


「ロー・アー・ビペカイ」


 と、階下の男性が静かに言った。


 すると、その言葉に呼び出されたかのように、巨大な音の壁が男性を中心に立ち上がり、フラウスたちを含むプラネタリウムの右側三分の一を衝撃波から護った。


『ソニックウォール?』


 と、衝撃波を発したのとは別の女性――いや、ここでは区別のため“黒の少女”としておこう――が、少々驚いた様子で言った。


 と、同時に今度は、


「タンク・サブシスト・パルクラ・エス」


 と、先ほどのとは違う呪文を男性が唱えた。


 が、しかし、今度は何事も起こらない。


 いや、既に何事かは起きていた。


 時間にすると4秒程度だろうか?


 止まった時間の中で男性は、既に自分の仕事を終わらせていた。


「少年!」


 と、上階にいるフェテスに向けて男性が叫ぶ。


「レンチを押せ!!」


 が、しかし、これに対して、


「で、でも実際!いつ?どこに?!」


 と、例のラチェットレンチを階下に向けつつフェテスが言った。


「指示してくれる約束だろ?!」


「すまん!」


 と、男性。


「さっきの閃光弾で目をやられた!よく見えない!!」


「じゃ、じゃあ!!」


「五角形の!一番上の点だ!!」


 そう云う男性の声にフェテスら三人が改めて階下を見ると、そこには確かに、一瞬前まではなかったハズの青い五つの点が“抜け穴”を取り囲む形で浮かんでいた。


「“穴”が中に入ったら押せ!」


 と、男性。


「タイミングは任せる!!」


「もう入っているよ!」


 とフェテス。


「なら、押せ!!」


 ジジジジジ。


 レンチが奇妙な音を立てた。



(続く)

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