第二十三週:穴とプラネタリウム(土曜日)
『すみません。そのコードを入れるのは右側のジャックです』
「あ?こっちか?」
『そうです。そちらの赤い…………はい。それで結構です』
「俺は光だからよく分からねえけどよ、アンタみたいな、その……旧型の? 《地球》の機械でも動かせるもんなのか?」
『確かに私は旧型の地球製ですが、それでも当時の最先端技術を盛り込まれていますし、その後Mr.Blu‐Oの……趣味?……手慰み?……に様々なマイナーチェンジも施されています。ですので、その分進化もしており、《時主》の技術との相性も悪くはないと考えられます』
「なるほど……と云うか、あのバアさんに改造されてんの?」
『多分、デュさんが遊ばれているリビングのゲーム機などもされているかと――』
「え?!そうなの?」
『はい。よく「タイムが上がらないのは機械のせいよ!」と言われていましたので――』
「そういや、マ〇オ・カ〇トで変なバグが出る時あったな……」
あの人はそう云うことよくやるからね――はい、延長ケーブル持って来たよ。
『ありがとうございます。それでは片方をコントロールパネル右手のゲル層の中へ、もう片方を私のライトケーブルに繋いで下さい』
はいはい。
「ん?樫山さんにも想い当るフシあんの?」
あの人はね、『コバヤシマル問題』じゃないけど、解けない問題はプログラムを変えてでも解こうとする人なんだよ。
「それってインチキじゃん」
でもおかげで助けらることも多いし――どう?タイムパトロールがメンテしたポッドだから勝手が違ったりしない?
『はい。そこはなんとかなりそうです』
(続く)




