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第二十三週:穴とプラネタリウム(月曜日)

『――とこのように、例えば 《地球》などの発展途上惑星では「宇宙は不変で定常的である」と云う所謂 《定常宇宙理論》が支配的であったわけですが、お節介などこかの誰かが入れ知恵したおかげもあってか、ついに彼らも、銀河の一般常識であった 《膨張宇宙理論》――所謂 《ビッグバン理論》を知るようになって行ったのでした。』


 と、《アナーク・プラネタリウム》の人工知能型音声案内ホログラム (知的でキレイなお姉さんタイプ)が言ったので、


「ねえねえ、《地球》ってどこよ?」と、エリシャがフェテスに訊き、


「そんな変な名前の惑星知らないよ、実際――フラウス君は知ってる?」と、フェテスがフラウスに訊いて来たので、


「確かタイムパトロールの顧問惑星じゃなかったかな?」と、フラウスは答えた。


 すると、


「さすがフラウス君――フェテスとは違うわね」と、エリシャがフラウスを褒め、


「悪かったなあ――でもよく知ってたね、実際」と、フェテスもフラウスを褒めたので、


「一時期、タイムパトロールについてたくさん調べたんだよ」と、フラウスは言った。


 もう少しで、七つの時に出会った不思議な少女の話をしてしまいそうになったが、彼が躊躇している間に館内の照明が落とされたので、この話はここで中断されることになった。


『それでは! 皆さまお待たせ致しました! ビッグバン・ショーのはじまりです!!』


 そう言ったホログラムお姉さんが宙に浮かぶのと前後して、プラネタリウム内の無重力装置も作動を始め、その場の観客たちもみな一斉にフワフワプカプカと浮き上がり始めた。


「わ、わ、ちょっと!ごめん!やっぱ苦手なんだ!これ!実際!!」と、フェテスが言ったので、


「もう、ほら、私につかまってなさい」と、エリシャが彼の手を取った。



(続く)

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