表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
131/331

第二十一週:紅茶と少女(土曜日)

『“――つまり、我々が何を皆さまに伝えたいのか?と云うと、それは「バクスター・ウェルの物語を覚えている者は幸せである。」と云うことに尽くされるでしょう。それはつまり、私達はその記憶を印されてこの大地に生まれて来たにも関わらず、想い出すことの出来ないサガを持たされているワケですから――。ですから、それ故に我らが救世主ミファラエルの語る次のお話を――”』


「(小声で)ちょっとちょっと、樫山さんよ」


 (小声で)――うん?なんですか?


「(小声で)“バクスター・ウェル”って何?」


 (小声で)すみません。知らないです――どっかで聞いたような気もするんですけど。


「(小声で)あと、突然“我らが救世主”とかって言い出したけど、いよいよアレかな?」


 (小声で)さあ……まあ、でも、なんだろ?お金とか勧誘とかの話は全然出て来ていませんし、もう少し聞いてみましょうよ。


『“――つまり、バクスター・ウェルとは、海と陸の間にある、我々地球人類の心のふるさとなのであります。”』


「(小声で)“地球人類”とか言い出しちゃったけど…………アンタも確か地球出身だったよな?」


 (小声で)正確には 《月》って呼ばれてる衛星の方ですけどね。


「(小声で)じゃあやっぱり、その“バクスター”っての知ってんじゃないの?」


 (小声で)いや、聞いたことあるようなないような……一体、なんの話なんだろう?


『“――そうして、機械による喧騒が拡大し、バクスター・ウェルがそれを排除しようとしたのも、地球が 《滝つぼ》に落とされたのも、理の当然なのであります。”』


 …………へ?


『“――機械が人の心を揺さぶるのかも知れません。バクスター・ウェルは地上からは決して覗けない平行世界なのでしょうか?”』



(続く)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ