第二十一週:紅茶と少女(月曜日)
「生体チェックはどうですか?」
「オッケーです。この子で間違いありません」
「了解。じゃあ、治療を続けましょう。B?」
「ナンダヨ?」
「ここは私とライリーさんでやるから、あなたは人を連れて来て」
「人?」
「ここまで重傷だと手持ちのセットじゃ間に合わないから、現時の病院に運んで貰うの」
「ぼっくすニ連レテ行カナイノカ?」
「それだと流石に不自然過ぎるでしょ?」
「了解。ジャア、適当ナノ見繕ッテ来ルヨ」
「生体チェックはキチンとしてよ?あなたこの前もヨシュ何とかって人動かして歴史を変えかけたんだから」
「分カッテルヨ。ジャア行ッテクルナ」
「頼むわ……この子の方はどうですか?」
「外傷はほぼゼロですけど、中は大変なことになってますね」
「騎士の技?」
「でしょうね」
「ったく、これだから騎士ってヤツらは」
「ま、資料だとこの子も騎士らしいですけど」
「あ、なら助かる見込みは増えますね――ぼく、聞こえる?聞こえてたら何か返事して」
「まだ無理じゃありませんか?」
「そう?でも……あ、ほら、目を開けたわ」
「流石に騎士の血が流れてると違いますね……何か言おうとしてません?」
「ぼく、意識があるのは良いんだけど、今はあんまり無理しない方が――ちょ、ちょっと起き上がったりしちゃダメよ!」
「あ……あぁ……」
「大丈夫よ、助けて上げるから」
「あぁ!……あぁ!……」
「……なにをそんなに?」
「オーイ」
「B?早過ぎない?良さそうな人はいた?」
「ソレガ……アッチデモ誰カ倒レテルゾ」
(続く)




