第二十週:社と甲冑(土曜日)
『“――そう言って現れた男の名前はモーガン・ストールでした。ご存知かどうかは分かりませんが、天才科学者にして億万長者、そうして、これは公然の秘密でもあるのですが、あの金剛石の騎士 《ダイヤモンドマン》その人だったのです。”』
「(小声で)ちょっとちょっと、樫山さんよ」
(小声で)うん?なんですか?
「(小声で)“ダイヤモンドマン”ってなに?」
(小声で)すみません。私も知らないんです――ア〇〇ンマンなら知ってますけど。
「(小声で)ああ、あれカッコいいよな」
(小声で)アレのパクリかなんかですかね?
『“無二の親友 《戦争機械》、バッタの力の 《ローケスト》、美しき魔法使い 《ブラックマジック》、弓矢の名手 《ファルコンアイ》、そして、謎の戦士 《ハンドレッド》と共にアイア……ダイヤモンドフォースを結成、悪との戦いに敢然と立ち上がったのです。”』
(小声で)いよいよアイア〇〇ンっぽくなって来ましたね。
「(小声で)“復讐者たち”を結成しないだけマシなのかな?」
『“スーパーパワーを秘めた腕輪を操る 《ウンシュウ》、機械化人間 《モードクター》、悪の大富豪 《ハンマー・ジャスティス》、奴らはあの手この手で世界を恐怖のズンドコベロンチョに――”』
(声を上げて)あのー、ちょっとゴメン。
『……はい?なんですか?Mr.樫山?』
確認だけどさ、これってまだ 《浮遊舎》からのメッセージが続いているんだよね?
『はい。今の節で全体の二百三十分の百二十六まで読み上げられました』
えーっと…………大体50%ちょい?
『はい。約54.78%ですね』
ちなみに、この 《ダイヤモンドマン》って 《浮遊舎》と関係あるの?
『いえ、こんな人物は存在しないハズです』
(続く)
 




