第一週:白い袖と金色の冠(土曜日)
えーっと、“「――この男児から来ているものである」と、言ったと云うことである。”――ま、こんな……いや“男の子”にしよう……で、“である”も“でしょう”にして――、
「ちょっと……ちょっと……」
…………うん?あ、こりゃどうも。えーっと、《サカタッティ》の――、
「おい!黄色いだろ?! 《ジバレー》だよ!」
あ、そうか……光型知性体の方とは面識がなくて、まだ時々間違えるんですよね。
「……ったく、これだから、ヒューマノイドはよお」
ですから、すみませんって…………あ、で、どうかされたんですか?
「ああ、それが、リビングでマ○オやってたら他の連中がいなくなっててさあ」
――マリ○?
「ほら、スー○ーファ○コンの――」
――ここスー○ァミもあるんですか?
「一応、任○堂系は全部揃えてるっぽいよ」
へー、Mrが集めたんですかね?
「セイの兄さんはそう言ってたな――あの人、ゲームはからっきしだけど」
あー、そうそう。セイさんならアイス君とMrとどっか行っちゃいましたよ。
「そうなの?――他の連中は?」
さあ、リビングにいた人たちですよね?――いないんですか?
「一応、他の部屋も探したんだけどさ」
そう云えばさっき、玄関の方でバタバタ出掛ける音がしてたなあ――、
「どこに行くとか言ってなかった?」
いやあ、私も他のことやってて――、
「…………それ、なにやってんの?」
ああ、仕事ですよ――小説書いてんです。
「小説?」
結局ここに置いてけぼりにされたんですけど、締切は変えられないってスタッフが――、
「へぇ、小説なんてパパって書けないの?」
(続く)