0013なんだ、意外と呆気ない
『――――機、出動!』
宇宙母艦トライから、まるで線香(閃光ではない)のようにもやっと飛び出した、というより這い出した――――機は、ノッソノッソと無重力空間を進む。
『なにやってるのっよ!!!』
耳元から聞こえてくる声。
それを俺は、もちろん無視する。
大分前に広がる戦闘領域には、味方と敵の機体があっちへ飛びこっちへ飛びしている。
面倒だ。
『勝たないと、減給するわよ』
それは困る。
俺は全速力で戦闘領域に突っ込んでいった。
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無人機と有人機の入り混じった戦闘。
素人には機械的な動きと意思を持った動きの二つに翻弄され、意外と戦いにくい。だが、俺は玄人だ。
「なんだ、意外と呆気ない」
そんな事を呟きながら、敵を殲滅していく。
そういえば、俺もこんなに弱い時期があったな。
そんな邂逅に浸る暇を敵は与えてくれず、早速四方八方からレーザー光線が襲いかかってきた。
俺はそれらを易々と掻い潜り、そして一閃。
たったそれだけで、周囲の敵を一掃した。
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無人機と有人機の入り混じった戦闘。
その中でも特に目を引く敵の機体が幾つかあった。そこに向かって一直線に飛んでいき、ブレードで両断した。
「なんだ、意外と呆気ない」
そんなことを呟きながら、俺は敵を殲滅していく。
そういえば、俺にも弱い時期があったな。
そんな思考が自分らしくない、と思い直し、敵の殲滅に全力を注ぐ。
特に味方が苦戦している相手のもとに。
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無人機と有人機の入り混じった戦闘。
味方の中でも優秀なパイロットが数機の敵によって次々と倒されていく。
「なんだ、意外と呆気ない」
そんな事を呟きながら、その強いと思っていた敵を一刀両断していく。
そういえば、俺もこんな時期があったな。
そう思いながら、同時に温情を一切捨てて敵を殲滅していく。
状況は一進一退のまま、戦力は切り崩されていった。