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4コマ小説 私は宝くじ売り場の灯子①

作者: ヨッシー@

4コマ小説 私は宝くじ売り場の灯子①


私は宝くじ売り場の灯子(とうこ)

ここの、宝くじ売り場で働いている。

時給は安いが、ここから見える人たちを眺めているのが好きだ。


お客さんA

「ちくしょう、ばかやろう、こんちくしょう、」

「ちくしょう、ばかやろう、こんちくしょう、」

小声で、呪文のように呟いている男性。

このお客さん、始めはパリッとしたイケてるサラリーマンだった。

数年前から、だんだんボロボロになってゆき、今じゃ、擦り切れたジャージ姿だ。

3000円、

ロト7を10枚買う。

いつも同じ数字だ。

自分の生年月日とラッキーナンバーらしい。

当たらない…

もう、何年もだ。

私が言うのも何だが、たまには違う数字にしてみたら、(心の声)

自分でツキを落している感じ。

おっと、不介入。

お客さんに関わらないのが鉄則。

しかし、あの呪文、不幸の魔法みたいだ。


お客さんB

「お姉ちゃん、可愛いね〜」

「ありがとうございます、」笑顔

「どう、俺と付き合わない?」

「もうすぐ俺、10億当たるからさ〜1億ぐらいやるよ、」

このお客さん、いつもそうだ。

ナンパするのか、宝くじ買うのか、どっちが目的だ。

まだ無いお金でナンパするなよ!

「ねぇ〜いいだろう?」

「すいません、お断りします」笑顔

「ケチ、10億当たったって1円もやらねーよ、」

どうせ、最初から、くれるつもりは無いんだろう、(心の声)

当たってから、声かけろよ、(心の声)

おととい来やがれ、このやろう(心の声)

塩まけ、塩まけ!(心の声)


お客さんC

何やら複雑な計算表を持ってくる。

どういう計算なのか?

赤とか青とかの線も入り混じり解読不能。

今日の数字はこれだ。

09 15 18 26 28 32 37

法則は解らない。

これが当たる!

大きいお金は当たらないが、小金がけっこう当たる。

私が見た範囲では、トータル十数万円のプラスである。

教えてくれー頼む!(心の声)


お客さんD

たまに来るお客さんだ。

今日は、顔色が悪い。

具合でも悪いのか?

スッと、券を出す。

無言、

なんだ、換金か、

「少々お待ち下さい。ただ今お調べします」

ピンポーン、

おおっ、高額当選!

「おめでとうございます、2等です」

「そう、」

どうやら、前もって調べてきたな、

驚きが無い。

「お客様、10万円以上は、みずほ銀行で御換金下さい」

「そう、で幾ら?」

「1千万円です!」

「そう、」

驚けよ、(心の声)

帰ろうとする、お客さんD。

「お客様、高額当選のパンフレットをどうぞ!高額当選者の心得が書いてあります、」

「そう、」

ふらり、と帰って行った。

一か月後、

タバコとビールを大量に買っているお客さんDを目撃した。

満面の笑顔。

あれが、夢だったのか、


私は宝くじ売り場の灯子、

今日も宝くじを売る。

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