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俺、マイホームを建てる。

ようやく!マイホーム!


「家を建てよう」


確認するかのようにつぶやいてみる。


神殿から出て広場に戻ると、さっき見たよりも白い家が増えた気がする。



「どこにしよっかなー」



クエストの説明によると、家を建てるのが可能な場所はだいたい決まっているらしい。



今この箱庭には、広場を中心として東西南北に大通りが通っており、広場から見て北方向に大通りを上ると神殿があって、そこから少し外れると草原地帯がある。


箱庭に実装されたものは、現時点ではまだまだ少ないみたいだ。

神様曰くこれから増えるらしいが。



広場の中央から東西南北に、メインストリートたる大通りが敷かれているわけだが、中央から少し外れると大通りからさらに比較的細い道に分岐するみたいだ。


まだ家を持っているプレイヤーが少ないからか、視界の先にレンガの道だけが敷いてあるのがみえる。


結構細かく分かれては繋がっていて、複雑になっている。


まあそれは中央から外れた場所に位置しているからであって、自分の狙う場所はもちろん、広場中央に近い大通り沿いだ。



「将来的に人気が出そうなとこがいいよね!」



ちょうど家を建て終わったところだろうか、背丈のでかい、大柄な男と目があった。

短い黒髪を適当に刈り上げにしたような、少し強面の筋肉質な男だった。

こちらに近づいて話しかけてくる。



「おっ、お前も土地探してんのか?」


「うん。やっぱり中心に近い方がいいよねって」


「そりゃあな。今後広場で店とか出せるようになるらしくてさ。真ん中に家があった方が何かと便利らしいぜ」


「そうなの?それどこ情報?」


「俺のフレがヘルプ欄で聞いたって言ってた。

まあ合ってるとは思うぞ」


「まじか、いいこと聞いたわ」



サンクス、といって別れる。

というかもうフレンドがいるのか。



「あーちょっと待て。フレリクしてもいいか?」


「フレリク?」


「まあフレンドにならないかってことだ」


「ああ、いいよ」


そう言って鞄から端末を取り出す男。

自分もそれに合わせて端末を鞄から出す。


その後少し話して別れた。

彼曰く俺には何かビビッとくるものがあるらしい。


なにそれ?って聞いたら、俺にも分からん、と返ってきた。

なんだそれ。



再び家を建てる場所を探す。


「ここにしようかな」


すでに数十軒家が建っている中でちょうど空いてる場所があった。

しかも大通りに面していて中心にも近い。



カードをその場所にかざす。



ぴろん。



ぽこん。



そんな単音が二回鳴ったと思ったら、シュン!という効果音と共に家が現れた。


「よっし!」



これが俺のマイホームだ!


感慨深いものがあるな!


どの人も建つ家のデザイン自体は変わらないわけだが、自分の持ち家だからか、周りよりも特別なように思えた。



扉をあけて中に入ってみる。

木でできた開き扉だ。

ちゃんと鍵をかけるところもあるっぽい。


玄関で靴を脱ぐ。



「おっ、結構立派だ」


室内に入るとまずリビングがあって、少し大きめの机があるのが見える。

おそらく食卓だろうか。


リビングから左を見ると、そこにはキッチンがあって、流し台と水道と、簡易的なコンロがあった。

あと食器棚もある。


再びリビングに戻ると、反対方向にはベットがある。


固すぎず、柔らかすぎず、ちょうど快眠できそうなベットだ。

これはありがたい。



1分ほどの探検を終え、この家を端から端まで見たところ、一人で暮らすには十分な設備があるのが分かった。


扉で各部屋が区切られてない分、家が大きく感じられた。


あとさりげなく、トイレがウォシュレットなのにはびっくりした。



ぼふん。


服を適当に脱ぎ捨てて、ベットに倒れこむ。



「あー…疲れた」



今日はいろんなことがあった。


広場に転移されたと思ったら、そこに神さまが現れて、兎狩って、神殿行って、そしてマイホームを建てて…


いろんなことがあって疲れたけど、とても楽しかったじかんだった。


こんなにワクワクしたのはいつぶりだっけ。


うーん。

そういえば記憶は消されてて思い出せないんだった。



夕焼けの赤色が窓から自分の胸もとまで、斜めに差し込んできている。


まだ夕方だろうか。

まあいいや。


「……寝るか!」


お風呂は明日入ることにした。

明日から新しくもらったクエストの消化だ。


すごく楽しみだ。




拠点も確保して、ようやく探索に本腰を入れられます!

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