クエスト完了の報告をしよう!
草原を出て、広場に戻ってきた。
広場を出歩いてる人は数十人しかいない。
そして、そこにはもう何軒かの同じ家が建っているのが見えた。
白くて四角い家だ。
「やっぱり先を越されてたか」
特に落胆はしないが、ちょっと悔しくはある。
結構急いだつもりだったのになー
広場の中央を横切って神殿へと向かう。
ここでクエストの報酬を貰うのだ。
神殿の大きな扉を押して入った。
神殿の中はその外観通りに天井が高く、おそらく二階は無いのであろうか、広々とした空間がそこにはあった。
奥にある窓口へと向かう。
案の定、そこには数人がすでに並んでいて、ちょっとした列ができている。
自分はその列の一番後ろに並んだ。
「それにしても立派だなぁ」
遠い天井を見上げてみる。
神殿の大部分はおそらく白い大理石でできていて、ところどころに木材の茶色が使われているのも尚更綺麗に見える。
壁際にある白いアーチ型の柱や、天井近くにはめ込まれたステンドガラスがより一層の神々しさを醸し出している。
どこかの国の王城と言われても気づかないくらいには豪華である。
周りを眺めているといつのまにか自分の番が回ってきたようだ。
気を取られて気づかなかった…
受付の人に呼ばれて窓口へと向かう。
10個ほど置かれている窓口のうち、一番右の場所であった。
窓口に座っていたのは、ツヤツヤとした茶髪の、長い髪を小さい耳に引っ掛けて後ろに流している綺麗なお姉さんだった。
見ると窓口の人は全員同じ制服を着ているが、彼女の豊満な胸が制服の胸元を圧迫していてかなりパツパツになっていた。
なんていうか、すっごい。
もしかしたらガン見していたのだろうか、彼女に声をかけられてハッとなった。
「クエストの完了報告ですか?」
「あっ、はい」
「…はい、では確認しました。これがクエストの報酬です。」
彼女の言葉と共に、さっきまで視界の右上にあった〈クエスト達成/兎を3匹倒す!〉の文字が消えた。
それと同時に新たに文字が現れた。
〈実績解除/初めての完了報告!〉
「おおー」
実績とな。
少し感動に浸っていると、受付の彼女が一枚の白いカードとスマートフォンのような端末をこちらに差し出してきた。
「まずこの白いカードが家クエストの報酬です。このカードを建てたい場所の地面にかざすとYESかNOの画面が出てきますので、そこでYESの方を押して貰うと報酬の家が建つ仕組みとなっております。」
「そうなんですか」
「はい。それとこの端末が箱庭に住む全員に配られるいわば携帯用の補助装置みたいなものです。
この端末にクエストの進捗や自分の所持金などが表示されます。
また、この端末を使って神殿内のショップで買い物をしたりいらないアイテムを売ったりすることができます。」
「へぇー、そんなことが」
というかまずショップとかあったのか。
所持金とか配られなかったから、ご飯や日用品をどうするか心配だったけど、これで何とかなりそうだ。
「あとこの端末には便利な機能がついていて、通話機能、カメラ機能、そして掲示板機能があります。ぜひ役立ててくださいませ。」
「通話機能?」
「はい。フレンドとしてこの端末に登録された相手のみと通話することが可能です。」
「おー、それはありがたい!」
まあそんな人まだいないけどね。
そのうちできるはず!
クエスト完了報告も終え、神殿を出る。
「じゃあ次は家を建てる場所を探そうかな」
俺は広場に向かった。
早くヒロインを出したいっ!
ちなみに神殿のモデルはケルン大聖堂です
といっても写真でしかみたことないんですけどね笑