表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/18

家クエストをこなそう


「ついた!」


さっきの広場から離れて5分ほど経った頃、人混みをかき分け草原に着いた。


後ろを見ると、ぞろぞろと人の塊が動き出しているのがわかる。


それにしても、結構急いだはずなのにあんまり疲れていない。


途中から調子に乗って、目の前の人にフェイントをかけて切り返ししてから抜いてみたり。

シュッシュッ!という擬音が似合うくらいにはかなりスムーズに動くことができたと思う。

元いた世界では何かスポーツをやっていたのだろうか。


ちなみに目の前でフェイントをかけられた人はものすごく困惑していたように見えた。


まああたりまえか。



「本当に草しかないじゃん」


さっき女神が草原地帯を実装したと言っていたが、目の前には本当に草ばかりであった。


どこを見ても草。

木なんて一本もない。

視界いっぱいに、それも遠くまでずーっと見える範囲までに草原が広がっていた。


その風景はさながら緑の絨毯が敷いてあるようで、草の緑のみに統一されているおかげか空の澄み切った青色とみごとな調和をみせていた。



「まあこれはこれでアリかも」



そういえば鉄の剣をもらったんだっけ。

試しに振ってみようかな。



腰に巻きつけてあるのは同じく配布された小さめの鞄、もといアイテムボックスだ。

だいたいの大きさは20立方センチくらいかな?


これは実際の見た目よりも多くの物が収納できるそうで、勿論鞄にしまうことのできる限界もしっかり決められているそうだ。


ちなみに鞄にしまって仕舞えば、収容物の質量は感じなくなるらしい。

つまり超便利!


「収容量の限界をためしてみるのもいいな」


あとでやってみよう。



「そういえば自分のステータスも見れるんだっけ」


ステータスがみたいです!

と心の中で唱えてみる。


すると、ステータ!のあたりくらいで目の前に例の画面が表示された。



《ステータス》


レベル/1

ネーム/ミナト

職業/開拓者

スキル/共通言語lv1、鑑定lv1、身体強化lv1



「おお!!」


謎の感慨深さがある。

ステータスなんて物をみるのは初めてだ!


ん、身体強化なんてスキルがある。

もう獲得したのか。

多分フェイントを掛けまくってたのが効いたんだろうね、きっと。うん。意外と簡単だな。



「さて兎ちゃんを探すとしますか!」


あたりを見てみる。

草原というのも背丈の低い雑草みたいな草が生い茂っているだけで、かなり遠くまで見回すことができる。


「お、いた!」


発見!

草むらの中に白い兎が佇んでいるのが分かる。

両手両足を揃えて虚空を見つめてる。


この分ならあっさり行けそう。


剣を右手に持って、まわりを大きく迂回してから、兎の後ろ側よりゆっくり近づく。


気配を忍び殺して、足と草が擦れて音なるべく立てないように進む。



風の音だけが聞こえる。

なんか緊張してきた。




だんだんと兎の白くて小さな背中が近づいてくる。



白くてツヤツヤした毛並みだ。



彼我の距離はあと3メートルくらい。

いくら可愛くても倒すのに躊躇はいらない。


サワサワ…



「…」


相変わらず兎は虚空を見つめてる。

ずっと動かないままだ。


ならば飛びつくか。

この距離ならいける気がする。



「おらっ!」



自分が思ってたより気合の入った声が出た。

右手に持っていた剣を着地と同時に下方向に突き出す。


刺さった!!



「キュッ!キュ…」


うさぎさんは俺の声に反応して一度こちらを向いたが、時すでに遅し。

剣が先端から兎の胴体へとググっ!と入っていった。



ごめんようさぎちゃん。


剣を引き抜き、俺が兎を倒したんだなーと思っていると、ポンっという音と共にいくつかのアイテムがドロップした。


視界の左上に画面が流れた。



〈獲得アイテム〉


兎の毛皮×1

兎の肉×2

白兎のもふもふ×1




おお!

記念すべき初ドロップ!!


「なるほど、これをアイテムボックスに入れればいいのか!」



こういうのは俺は楽しくて好きだ。

作業ゲーというか、こなせばこなすだけアイテムが手に入るのはありがたい。



「あとはもう2匹か」


その後、今の同じような方法で兎を2匹狩った。

慣れると簡単である。




「さて、クエスト完了の報告に行くか!」



視界の右上に踊る、クエスト完了!の文字。

なんか達成感が湧いてくる。



他の人は今どんな感じだろうか。


自分より早くクエストをこなした人はいるのだろうか。


そんなことに思いを馳せながら、少し奥に見える大きな建物に向かう。

あれが神殿だろう。


そもそも草原といい、広場といい、何の人工物もないから見通しがすごく良いのだ。

だから、大きな建物が見えたらそれが神殿だと一目で分かるのだ。


興奮の覚めぬままに、俺は広場に向かって走っていった。










評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ