なんでもあり、だけど現実的な世界で生きていく
ほぼ初投稿のようなものです。
よろしくお願いします!
転移させられて、自分たちが降り立った場所はおそらく広場であろう、地面がレンガのタイルで舗装された場所であった。
先ほどの女神の発言が正しいとすれば、この世界で自分を含む1万人にとって新たな生活が始まるのだ。
おそらく同時に転移させられたのだろうか、周りにはたくさんの同じ服を着た人がいる。
そしてその多くが立ったままで、それぞれが周りを見回している。
「まずはここがどこか、だな」
とりあえず自分が今どこにいるのか、周辺の建物とかも知りたい。
「まずはヘルプ欄を見るか」
あの女神もそう言ってたし。
ただあの人だけ雰囲気が明るすぎたというか、あの場ではひとり異質だったというか…
とりあえずヘルプ欄とやらを探してみる。
まずは服のポケットの中、何もない。
ズボンのポケットの中、何もない!
てかまずヘルプ欄ってなんだよ!
そもそもの疑問であった。
あっ声に出せば出てきたりするのかな。
ぴろん!
色々と逡巡してる最中のことだった。
突如として自分の耳元で小さく電子音がなり、同時に目の前に透明な画面が現れる。
つい体が仰け反ってしまう。
結構びっくりした。
画面内にはひとりの男がいた。
〈こんにちは皆さん。箱庭へようこそ。
私はヘルプ欄を担当する神です。ヘルプさんとでも呼んでください。〉
黒い髪の毛をオールバックに切り揃えた、青い額縁メガネをかける黒い紳士服を着た痩身の神が現れた。
低く、それでいて身体に響くヘルプさんの声は、どこか偉大な存在としての圧力を感じるような、そんな低音であった。
そこからヘルプさんの説明が始まった。
どうやら自分たちには一人一人が固有のステータスを持っているようで、それはステータスを見たい!と思えばいつでも見れるそうだ。
ステータスにはその個人のレベルと名前と職業、そしてスキルだけが書いてあって、筋力値や敏捷値などの各種能力値も実際は存在するが、ステータスには表示されないようになっているそうだ。
あとはスキルについて。
どの各人にも共通して、言語スキルと鑑定スキルの2つが初期レベルで分配されるらしい。
それに加えて後天的に獲得できるスキルがあって、これはあくまで現実に即して基準を示すようなものであり、獲得したからといって筋力値や各種能力値が上昇することはないそうだ。
ただ保持していることで一定の強さを示す証拠となるので、持っていて損は無いらしい。
最後に称号とユニークスキル。
これはある条件を満たすごとに獲得できるものであって、この2つはただのスキルとは異なりステータスに影響したり、不思議な力を手に入れることがあるそうだ。
もちろんすべてがそうとは限らないそうだが。
まあこれについては自分で見つけろとのこと。
「そんなものがあるのか」
自分の知らないものを探し出すことは楽しいものだ。それに加えて獲得によって強くなれると言っているのだ。
すこしワクワクしてきた。
これが好奇心ってやつか。
…
「この箱庭という世界はちょうど現実なのだ。
君たちが今まで生きてきた世界とは少し法則が異なってはいるが、この箱庭に召喚された以上は君たちが過ごすこの箱庭こそが、君たちにとっての現実であるのだ。
あたりまえの話ではあるが、剣を持って人を切りつければ、切りつけられた者は出血するうえに痛みも感じる。
ただ、それを治癒する手段として魔法というものが追加された、ということだ。
この箱庭で今まで生きていた世界との様々な違いを目の当たりにするだろうが、いち早く割り切って慣れてくれるよう願っている。
では諸君らの幸運を祈っている」
そんな風に話し切ってから、彼は画面から消え去った。
…なるほど。
この世界で生活する以上は早く世界のルールに慣れた方がいいってことか。
万一死んでしまっても、神殿で息を吹き返すことができるのは、まあありがたい。
それなら今まで剣を持ったことも無かった人たちも、まだ挑戦できるってもんだ。
とはいっても、いくらシステムで軽減されているとはいえ、死んでしまうような痛い目には絶対にあいたくないが。
周りを見回す。
相変わらずの密集率。
とその時、
「なんでそんな暗い雰囲気にしちゃってるんですかー!!」
と、明るい声が響いた。
同時に新たな画面が表示された。
そこにはひとりの女神の姿があった。
不定期投稿でっす
長い間があいたらすいません
一応展開を確認しておくと
元いた世界で箱庭にピックアップされる候補者選び
↓
その時に自分のアバターを作る(転移させられたあとに記憶を消されたので覚えてない)
↓
箱庭に転移
↓
神さまたちに箱庭世界で生活させられることに
(今ここ↑)