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時をかけるAI  作者: 宮本 くつろぎ
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それから何度もそいつは現れた。

そのつど一人でいるのが怖くなって。誰かが捕まるまで片っ端から連絡を取った。

考え込んで寝むれなくなり心身共に疲弊した。眠れない夜は恐怖に震えた。

手が寂しくなってスマートフォンに触れようとするとあの時の感覚がフラッシュバックする。

腕にもしびれるような感覚が残った。

頭にウイルスでもプログラミングされたようだった。

それでもどうしても触りたくて手を伸ばすとまたあいつが現れた。


ヤツの姿は若い男にどことなく似ていた。

「なあ俺の頭はおかしくなったのか?いいかげんやめてくれよ。お前は一体誰なんだよ」

何も答えず彼は姿を消した。

 

ふとした瞬間にあいつの姿が頭をよぎった。

食事をしている時でも、授業を受けている時でも、バイトの最中でも頭を離れなかった。

あいつに頭の中を侵食された気分だった。

精神科にも通うようになった。

すぐに状況が変わることはなく納得する効果も得られなかった。

もう考えるのにも疲れきった。

余計なことに気が回らないよう作業で時間を埋めるよう勧められた。

慰めにでもなればと思って医者が掛けた言葉だったが、これが意外にも効果をもたらした。

甘えを捨てて自分を律し勉強やバイトで一日を埋めた。

毎日、全力を尽くした。そんな日の夜は気絶するように眠れた。

一人になることを嫌い、一人の時間をほとんど持たない彼にはヤツと会う時間がなかった。

 就職してからも、その意識は変わらなかった。精一杯働いた。仕事の付き合いにも進んで参加した。一人になるのは未だに怖かったのでむしろありがたかった。交友関係も更に広がるよう努力した。もちろん以前から交流のある知り合いにも頻繁に声を掛けた。

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