幼少期2
ふと気付いたのだ。最近抱っこされて、部屋の外にも出るようになった。歩いてるときに見る廊下の広さや、ドアの量。たまに連れて行かれる日光浴では、すごい広さの庭だった。
最初は、世話役だなんて付けるくらいだから、どうやらかなり裕福な家に生まれたと予想する。
神様も随分と多くの贈り物をしてくれたらしい。
裕福な家は、その生活に伴い、多くの責任が負わなくてはいけない。多分僕には多くの重責が伴う。
そのためにもここで惰眠を貪るような無駄な時間を過ごす訳にはいかない。
ベビーベッドの中と行動範囲が限られている為、セレスも忙しく、部屋に一人の時間には精神統一をしている。
地球でも魔力の変換を行っていたということは、何かきっかけがある。地神様に受け入られていた、というのもきっかけの一つだと思う。しかし
『地神様のいる聖域で精神統一をしていた』
これが大きいのではないかと思っている。
生まれてから、ずっと感じていた丹田付近にある魔力の核。体の中心にあるのはわかるのに、それが外に漏れ出す感覚はなかった。不思議には思ってたが魔力があるならいいかとしばらくは放置していた
忘れた頃、座れるようになってから、ことが大きく変化した。座れるおかげで精神統一ができるようになった。これを日課とし欠かさなかったおかげで核から魔力を漏れ出させることに成功。
実は、自分の核には封印がしてあった。神様からもらった知識の中に、
『魔力を持つ人間は体に核を宿し、それを外に発するように生まれる。稀に、魔力の多い者が生まれ、母体を守るため、無意識下に封印を施す。封印を解く場合、一部の人間に解除してもらうか、何かのきっかけが鍵となり自力で強引に解くことになる。後者の場合、魔力の暴走により周囲に大きな被害を与える。一種の災害レベル』
とあった。
新しく母の胎内に宿ったとき、無意識に封印したであろう核の封印。どちらでもない方法でゆっくりと解いていったらしい。らしいというのも封印が完全に解けた後、ふと疑問に思い、自分の中にある知識の中から探し発見した。最初は使い方がわからず持て余したけど、やっと膨大の知識をコントロールできるようになった。
下手したら魔力が暴走してたかもしれない状況に固唾をのむ。
僕の魔力は子供の平均以上にあるらしい。