幼少期 セレスside
セレスside
私は、幼い頃からライト家に仕えていた。というのも、我がセバスチャン家は代々、七大貴族の一つ、光を担うライト家本家の主に付き従うも者とし存在する。『資格ある者』は個々の主を持ち、他はライト家の使用人としてライト家に仕える。
主に仕える執事として、様々な知識、支えるための技術は勿論のこと。とっさの判断、対応力が求められる。加え、主を守るための武術、魔術にも長けていなくてはならない。
現在の当主、ベルフェリア様の執事、父・アンデレと、旦那様の奥様、ユーナ様の専属侍女として仕えている母・マーサ。
そんな二人を両親に持つ私。幼い頃から二人に誇りと憧れを抱いていた。将来、新しく誕生するお子様に仕えることができるよう、血の滲むような努力を欠かさなかった。
中等部に上がる頃には周りから天才と騒がれ、執事筆頭の祖父からも
「この分では、成人を迎える頃には充分な資格を有しているだろう。どの努力を怠たらないよう頑張りなさい」
と言わしめた。
成人を迎えてから1年が経った現在。旦那様と奥様の間にお子様が宿り、無事フィーベルトと名付けられた長子がご誕生された。
生まれたその日、私は旦那様に呼ばれ、フィーベルト様に仕える選定者が私に決まり、お役目を仰せつかった。幼い頃の夢とし実現した今、誠心誠意フィーベルト様に支えようと決心する。