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栄養ドリンク男・佐々木和の先輩

栄養ドリンク男のターン

「よし終わった!」

「佐々木さん。お疲れ様です。」


やっと仕事が終わった。

もうこんな時間だ。急がないと。


俺、佐々木和(ささき かず)24歳は栄養ドリンクが好きだ。

毎朝一日健康であるために飲んでいたが、いつのまにか栄養ドリンクに惚れてしまっていたらしい。

罪なやつだな。お前は。


「残念なのはお前の頭だ」

「イタッ」


俺は現在、先輩が作ったデザイン系の会社で働いている。

会社といっても小さな会社で、全員合わせても7人しか働いていない。

パソコンでイラストを作ったり会社のロゴとかを作ったりしている。


「なんで叩くんスか」

「お前の頭の中まる聞こえだから叩いて調節してやろうかと思ってな」


この人がひとつ上の先輩、山田五郎(やまだ ごろう)

大学時代の先輩だ。とは言っても実際誕生日は1ヶ月しか変わらない。

先輩は3月。俺は4月。でも先輩後輩という関係。

母親ももうちょっと早く生んでくれたら先輩なんて呼ばなくて済んだのに。

こんな古めかしい名前だが先輩は先輩だ。まあそんなことを言ったら先輩に怒られるのは確定だ。


「だから聞こえてるんだよ」


バシッっと叩かれる。

俺は心の声が他人に聞こえるという存在らしい。

かなり前にドラマ化して有名になってしまったが俺は隠すことはしない。

・・・そんな馬鹿な。

頭の中で思っていることをついつい口に出してしまうのが俺の悪い癖だ。

きっと先輩が頭を叩きすぎたせいだと思いたい。


「そんなことより和。このあと予定あるか?」

「このあとはちょっと予定が・・・」

「そうか。無いか。じゃあちょっと付き合ってくれ」

「え?いや、予定が・・・」

「大丈夫だ。友達の誕生日が近いからプレゼントを買いに行くんだが」

「いやだから予定があるって言って」

「気のせいだって。予定なんてどーせ本屋に行くんだろ?」

「え、あ、いや・・・本屋ですけど」

「だから大丈夫だって。今日行くのも本屋みたいなとこだから」

「えー・・・わかりましたよ」


拒否権はないらしい。

今日、本屋にいけないのはちょっと残念だな。

それにしても先輩がここまで言うのも珍しいな。

買うものってなんだろ?まさかアダルトな本だったりして。

ちょっと楽しみになってきた!




「先輩?」

「よし。行くか」

「え?マジでここなんですか?」

「・・・引いてるか?」

「いや、引いてますけど、先輩こんなところくるんスか?」

「俺の友達のだって言ったじゃん」

「いやいや、だからって何買うんですか!その人とどんな関係なんですか!」

「一人じゃ恥ずかしいからお前を連れてきたんじゃないか」

「なんで俺!」


先輩に連れてこられた場所はアニメショップだった。

そして後ろでニヤニヤしてる女子二人組がいるのはなんなんだ?


「え?お前中二病だろ?」

「は?」

「いや。え?違うの?」

「なんですかそれ?」

「だっていっつも独り言みたいになんかぶつぶつ言ってるし、心の声がーとか言ってるじゃん」

「え?まじすか?自覚ないですよ?そんなに言ってます?」

「まじかよ。じゃあお前オタクじゃなかったのかよ」

「そんなわけないですよ!」


店から出てきた男子がこっちをすごい嫌そうな目で俺を見てきた。

ところでここは何の店なんだ?

ってゆーか何買うんだ?


「先輩。ところで何買うんですか?」

「コードゼアスの主人公の赤の騎士団のフィギュアだ!」

「・・・は?」

ここまでありがとうございます。


栄養ドリンク男は朝に1本飲まないと体調を崩します。

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