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豆乳女・おでかけ日和

今日は佳子と休みがかぶったので、一緒に遊ぶことになっている。

現在9時45分。

待ち合わせをしている訳だけど、5分ぐらい前に連絡が来た。


『アハハ!今起きた!急いで準備するからちょっと待ってて!近くなったらメールするね!』


という訳で、寝坊した佳子を待っている。

もともとテレビ塔に10時集合とか無理だったんだ。

というか私もまだ家だ。

寝坊したわけじゃなくて、どうせ佳子のことだからギリギリに家をでるぐらいで大丈夫でしょ、と思い自宅で待機していた。


「本も読み終わったしどうしようかなー」


そう呟きながら冷蔵庫の中の豆乳をコップに注いだ。

今日は佳子と古本屋巡りをするのだ。

主に佳子向けのお店が多いけど、何件かは私の趣味にも付き合わせてやる。

むしろ遅刻したんだから、私向けのお店だけでもいいんじゃないか?

そんなことを考えていたら、コップの中の豆乳は空になっていた。


「あれ?飲んだっけ?」


ちゃんとコップにいれたはずなのに、飲んだ記憶がない。

しかし口の中に豆乳の味は広がっている。

まぁいいやと思いつつ、またコップに豆乳を注いだ。




時刻、午前11時ごろ。


佳子から電話が来て


『ちょっとまこちゃんどこ!?見つからないんだけど!』


と言っていた。

近くなったら連絡するって言ってたのに、先に待ち合わせ場所に来ているとは何事か。

ノロノロと立ち上がり家を出た私は、のんびり歩いて待ち合わせ場所へと向かった。

冷蔵庫から豆乳の小さいパックを持っていくのを忘れない。

私の家からテレビ塔までは、歩いて10分ぐらいで到着する。

今は残り2、3分で到着する距離にいる。テレビ塔が見える。

仕事の日は大抵ジーンズをはいて出かけるが、休みの日はジーンズ以外もはいている。

ちなみに今日は白くて長いスカートをはいていて、上は灰色のパーカー。

仕事の日とは違う服を着ると、休みっていう感じがしてちょっと得した気分になる。

パーカーのポケットに入れていたスマホが震えた。


「もしもし」

『ねぇーまだー?モゴモゴ』


佳子からだった。

おとなしく待ってることはできないのか。

しかももごもご言いながら電話してくるとは。


「あとちょっとで着くよ。なんか食べてるの?」

『お腹減ったから焼きもろこし食べてる。モゴモゴ』

「あとで私にもおごってね」


佳子の姿が見える距離まで近づいた。


『え?私何も食べてないよ?』

「この嘘つきめ」


駆け足で近づき後ろから声をかけた。


「うひゃああ!!」

「ちょ、ちょっと!声大きすぎ!」


ほぼ悲鳴に近い声を出した佳子に慌てて注意をする。

周りを見ると、近くを歩いていた何人かの人がこちらを見ていた。


「なんだまこちゃんかよ!ビックリしたわ」

「なんだとはなんだよ。人を散々待たせておいてその言い草はないでしょ」

「これでもかなり急いだんだからねー。30分で準備して来たんだから」

「それ以前にもっと早く起きなさい」

「だが断る」

「断るな」

「遅れてすみませんでした」

「わかればよろしい」


頭を下げる佳子に対して、偉そうにふんぞり返った私。


「では私にもそのとうきびをよこしなさい」

「まさか一本まるまるねだる気か!?」

「私はちゃんと朝ごはん食べてきたもん。一口で勘弁してあげる」


そう言うと、佳子の食べかけのとうきびをがぶがぶと食べた。

久しぶりに食べると美味しかったので、二口食べたら佳子が何か言っていた。

うん。焼きもろこしは美味しい。


「じゃあまこちゃんも来たことだし行きますか!」

「おう!」


たくさん買おうと思って今日はリュックを持ってきた。

そのリュックを背負った私を見ながら佳子がつぶやく。


「・・・まこちゃんって時々変だよね」

「どこが?」

「あぁ。佐々木くんにこの姿を見せてあげたいよ」

「和くんは関係ないでしょ」

「おや?おやおや?おやおやおや?おやおや?」

「なによ?」

「今『和くん』って言わなかった?」

「あっ!・・・言ってないよ・・・」


しまった。うっかりしてた。


「そんなに二人の仲が進展していたとは思いもしなかったよ」

「進展って・・・」

「まぁくわしいことは歩きながら聞くとして・・・改めて出発進行!」


元気いっぱいになった佳子。

どこまで聞かれるのやら。

この先のことを考えて少し恥ずかしくなってきた。


ここまで読んでいただきありがとうございます。

感想とか書いていただけると執筆意欲が高まります。


真琴と佳子の会話は書きやすいです。


それでは次回もお楽しみに!


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