豆乳女・驚愕の出来事
私はただ驚いていた。
変な男の人に捕まりそうになったと思ったら、佐々木くんが戻って来て、開放されて安心したから戻ってきた理由を聞こうとしたら、男の一人がナイフ出してきて、佐々木くんがその人をボコボコにして、その男の人たちと仲良さげに話して・・・・
よくわからなかったけど、なんかドラマみたいな展開が目の前で次々と起こっていたので、私はただ驚くことしかできなかった。
「高倉さん。パトカー来ると面倒なので逃げましょう」
「は、はい」
私は言われるがままに走った。
丁寧な返事しかできなかった。
夜ご飯を一緒に食べた佐々木くんとさっきまでキックとかしていた人物と今目の前にいる佐々木くんが同一人物だとは思えなかった。
少し走って、何個か角を曲がったところにあった公園のベンチに佐々木くんは腰を下ろした。
私も佐々木くんの横に座った。
「ブハッ!なんで正座してるんですか!」
笑いながら私を見てくる。
あまりに気が動転していて、気づかないうちにベンチの上に正座してしまっていた。
「あ、ごめんなさい」
特に面白い返しをしてこない私を見て、佐々木くんは心配そうに私を見た
「大丈夫ですか?もしかしてどっか怪我してます?」
「いや、大丈夫。ちょっと・・・驚いちゃって」
「そうですか・・・」
沈黙。ただ静かな空気が流れた。
「もしかして引いてます?」
佐々木くんが口を開いた。
私は首を横に振った。
「よかったです。でも驚かせてすみませんでした。俺、高校のときテコンドーやってたんですよ。そのおかげでケンカ慣れしてるってゆーかなんてゆーか・・・」
私に説明してくれてる?
私はなんて返せばいいのかわからなくて、そのまま佐々木くんの話を聞いた。
「今日もあのあとアドレスとか電話番号とか聞きに忘れたことを思い出して戻ってきたんですよ」
そうだったんだ。そういえば連絡先教えてなかったんだっけ。
なんかずっと昔から知り合いだったような感覚だったからうっかりしてた。
「そしたら高倉さんが変な男に捕まってるじゃないですか!これはやばいと思って助けた訳ですよ」
あの時は確か戻ってきてくれたことに対して、「なんで?」っていう疑問と、「戻ってきてくれた!」っていう嬉しさと、「怖い」っていう気持ちがグチャグチャしてた。
「で、高倉さんがこっちに来たときに震えてて・・・。これはマズイと思って・・・」
震えてた?正直あまり覚えてない。
「高倉さん?大丈夫ですか?ってちょっと!」
慌ててカバンからポケットティッシュを取り出す佐々木くん。
それを私に手渡してくる。
「俺ハンカチとか持ってないんでこれですみません」
「なんで・・・」
声を出して気づいた。
気づかないうちに泣いていたらしい。
佐々木くんからティッシュをもらうと涙を拭いた。
ついでに鼻もかんだ。
それを見ていた佐々木くんが、なんと大胆、と言って笑っていた。
なんかちょっとイラっと来た。
「なんで笑ってるのさ」
「いや、まさかあんな豪快に鼻かむとは」
「人ごとだと思ってさ」
「・・・すみませんでした」
「なにさ。人ごとだと思って・・・」
「いやだからごめんなさいって・・・」
「佐々木くんは何もわかってないよっ!私がどんな気持ちで抵抗してたと思ってるのさっ!」
「・・・・・・」
今まで思っていた気持ちが溢れ出した。
佐々木くんは助けてくれたのに、なぜか佐々木くんに当たってしまう。
「もしかしたらこのまま連れていかれちゃうんじゃないかとか、誰も来てくれなかったらどうなるのかとか思ってたのも佐々木くんにはわからないよっ!」
私は立ち上がった。
佐々木くんは黙って私を見てる。
「だから佐々木くんが戻ってきてくれたときはどんなに安心したかなんて佐々木くんには全然わからないでしょ!」
私を見ている佐々木くんの目が少し大きくなったような気がした。
また涙があふれる。それでも構わずに私は叫ぶ。
「すごい安心したんだから!ホッとしたんだから!それまですごい怖くて怖くて・・・」
それ以上は言葉にできなかった。
泣きながら自分の足元を見てた。
すると急に暗くなった。
気づいたときには佐々木くんは立ち上がって、私を抱きしめていた。
「すみませんでした。こんなに怖い思いをしていたとは思いませんでした。俺も高倉さんを守らなきゃの一心で精一杯でした。すみません」
何度も何度も謝る佐々木くん。
私は、その抱きしめられた腕の中で涙が枯れるまで泣いた。
ここまで読んでいただきありがとうございます。
感想とか書いていただけると執筆意欲が高まる上に更新スピードも上がりそうです。
一応、次で一段落します。
章とかつけて区切ろうかとも思ったんですが、今更なので特に付けません。
別にめんどくさいわけじゃないんだからね!!////
というわけで次回もお楽しみに!




