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栄養ドリンク男・オタク入門?

あれから4日後です


「おい。和。終わりそうか?」

「あ、大丈夫です」

「あいつ、自分は遅刻するくせに他人の遅刻は許さないから気をつけろよ」

「俺はいつでも10分前行動する男なので問題ないですよ」


今日は仕事のあとに、約束していた漫画を借りるために佳子さんと会う予定になっている。

本当は先輩も来る予定だったんだけど、外せない用事があるとかで一人で会いに行くことになった。


「よし終わった。じゃあ先輩。俺お先に失礼しますね」

「おう楽しんで来いよ」

「みなさんもお疲れ様でした」

「「おつかれー」」


俺は時間に余裕を持って間に合うように、少し早足で歩いた。



待ち合わせ場所は駅前の広場。

待ち合わせの7時まであと30分もあった。

うーん・・・よし。コンビニだ。

待ち合わせで時間が空いたときは、コンビニを探して時間を潰すのがいつもの俺だ。

今日も例によって、近くのオレンジ色のコンビニへと入る。

ラジオのCMみたいなBGMを聴きながら、入口近くの栄養ドリンクコーナーへと足を運ぶ。


「今日はケンユルにしよっと」


なんとなく気合を入れたくて、500円の栄養ドリンクを手に取り、レジで会計を済ませる。

外に出てキャップを捻り、腰に手を当て一気飲み。


「プハー!」

「君はおじさんかね」

「うおっ!」


不意に横から声をかけられて、驚いてそちらを見ると、紙袋を抱えた高倉さんが立っていた。

え?なんで?なんで??


「今日は佳子が急な残業で来られなくなったので、私が代わりにきたってわけです」


え?それってあり?


「あり・・・じゃないかな?それとも佳子が良かった?」

「うお!また心の声が・・・いえ!全然!高倉さんのほうがいいです!」

「それは良かった」


そう言って笑顔になる高倉さん。うん。綺麗だ。

この間のラーメン屋での出来事で、高倉さんは意外と物事を淡々と話すタイプの人だということがわかった。

最初は人見知りのせいで緊張していたらしく、うまく話せなかったらしいが、後半はよくしゃべったと思う。

そして俺のことは全く知らないらしい。地味にショックでした。


「とりあえずこれ。佳子から」

「ありがとうございます。ってこんなにですか?」


受け取った紙袋を見ると、破けんばかりの量の本が入っていた。

高倉さんが手を離すと、ズシっとかなりの重量が右手にかかった。


「佳子からの伝言ね」


腕を組んで口元に偉そうな笑みをたたえながら高倉さんは言った。


「お姉さんが『通常』好きな君のために色々チョイスしてあげました!別にあんたのためじゃないんだからね!だそうです」

「えー・・・結局俺のためなんですかね?」

「さぁ?最後のはとりあえず言いたかっただけかもしれないよ」

「佳子さんらしい」

「佳子らしいね」


まさかのハーモニーに二人でアハハと笑った。


「佐々木くん。今日このあと何かある?」

「いえ。何もないですけど」

「じゃあちょっと付き合ってくれない?」


どっか行くのか!?それともデートのお誘い!?


「ふーん。佐々木くんもお年頃ってわけね」

「また心の声が!」

「心の声?まぁいいや。別に捕って食べようとは思ってないわよ」


今日はダメだ。ダダ漏れだな。

無になろう。何も考えずに過ごそう。


「で、どっか行くんですか?」

「ほら。この間は佳子の誕生日だったじゃない?私全然知らなかったのよ。だから誕生日プレゼントを買おうと思って」

「そーゆーことですか。でも俺なんかでいいんですか?」

「むしろ佐々木くん以外には頼みにくいかも」


んんん?

毎度ありがとうございます。

良かったら感想とかあれば書いていただけると執筆意欲が高まります。


次回もお楽しみに!

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