表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
光の抜け殻  作者: 仙道 神明


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

8/8

7日目 蝉の記憶

 一本杉の下、夏生は目の前の少女をじっと見つめていた。


「ありがとう。ここで出会ったこと、遊んだこと、忘れない」


 夏生は言葉が出ず、ただ黙って少女の顔を見返す。


「これ、あげる」


 少女は小さく微笑みながら、手のひらを差し出した。


 そこにあったのは、透き通るような蝉の抜け殻だった。


「え……これって……」


 頭を上げると、一匹の蝉が光を浴びて空へと飛び立っていく。

 その羽ばたきは儚く、でもどこか楽しげで、夏生の胸に静かに響いた。


 少女は日の当たる短い時間を、精一杯生きたのだろう。


 夏生と出会い、一緒に遊んでくれたことに、きっと感謝していたのだろう。


 夏生は、あれが本当に少女だったのか、蝉だったのか、答えを出せなかった。

 けれど、胸に残る不思議な感覚は確かで、甘く、切なく、そして温かかった。


 それは、自分でも気づかぬうちに芽生えた、初めての恋のような感情だった。短く、儚く、でも一生忘れられない──


 あの夏、あの丘、あの少女との時間が、夏生の心にそっと刻まれたのだった。


夏のひとときのように儚い物語でしたが、何か心に残るものがあれば嬉しいです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ