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呪われた侯爵令嬢は、湖のほとりで無口な画家に恋をする。  作者: 久慈 美麗


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6. 登城

侯爵に今自分が好きな本や画集について話したり、侯爵から好きなこと、気になること、最近楽しかったことなどを聞かれたりしながら馬車に揺られていると、段々と馬車の速度が遅くなってきた。

着いたのかと思って窓の外を見てみると、王城の正門はまだ先だか、その前に招待客の馬車が列を成しているのが見えた。

エルディネは、中に入れるまでまだまだ掛かるだろうと思って侯爵と話しを続けていたが、その間にいつの間にか城門を通過しており、馬車が完全に停止した。

侯爵が先に降りて、エルディネに手を差し出してくれる。

小さな手でその父の手をしっかりと掴み、エルディネは馬車からゆっくりと降りた。


招待状を軽く確認された後、2人はお茶会の会場である大庭園へ通された。

見事に咲いた赤い秋薔薇のアーチをくぐると、その先には、区画毎に赤、白、ピンク、黄色、淡い紫…と様々な色の薔薇が咲き誇る美しい大庭園と、長テーブルに白いクロスが張られ、銀細工のスタンドに華やかなスイーツが並んだお茶席が用意されていた。

会場には既にたくさんの招待客がいて、皆開宴前の時間を思い思いに過ごしている。

いつものパーティーと違うのは、今日は社交の中心である着飾った若い貴族令嬢の代わりに、3歳から13歳くらいの小さなレディたちが会場を彩っていたことだった。

今日の準主役とも言うべき小さな令嬢たちは、皆色とりどりのドレスに身を包み、中には大人顔負けの衣装やアクセサリーを纏っている令嬢もいた。


侯爵とエルディネは、他の貴族から挨拶をされては立ち止まって笑顔を返しを繰り返しながら、庭園内を少し散策した。

歩くたびに豊かな薔薇の香りがして、エルディネは思わず呟いた。

「素敵…。うちの庭も、もっと薔薇を植えてもらえるようジルにお願いしてみようかな」

ジルとは、日に焼けた健康的な肌に黒髪短髪の男性で、リザヴェール家の庭師のことだ。

それを聞いた侯爵は、娘を見ながら笑顔で頷いた。

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